ライカとソニー、画質比較の本命となる広角レンズで検証。

ライカMとソニーEボディでのセンサーカバーガラス厚の差による画質比較で、
35mm、50mmと続き、今回は特にバックフォーカスが短く、テレセントリック性がシビアなレンズが多いであろう28mm以上の広角レンズで画質検証。
- LEICA SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH. V1
- Voigtlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Asph
- MINOLTA M-ROKKOR 28mm F2.8
- Carl Zeiss Biogon T*25mm F2.8 ZM
- AVENON 21mm F2.8 L
- Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P
使用ボディ:
-LEICA M10-R
-SONY α7CII
比較画像はセンサーカバーガラス厚による画質差が最も顕著となる『画面端』のみを拡大比較。
三脚使用、ピントリングは無限遠に固定
マウントアダプターは日本製のRayqual
レンズフィルターなし
周辺光量落ちはディテール確認のために補正しています。
LEICA SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH. V1
6群9枚 レトロフォーカス型

2000年発売のズミクロンM 28mmの第一世代(11604)です。
フィルム撮影では特に欠点のない高性能レンズですが、残念ながらデジタル使用においては、テレセントリック性に難があると言わざるを得ない周辺画質です。
デジタルライカMの厚さ1mm以下とされる極薄カバーガラスでさえ、開放付近では像が流れ十分に解像するのはF8からです。
よりカバーガラスの厚いソニーEでは画質低下がさらに顕著で、結果はかなり厳しいものになります。実用上はF11で両者同等になります。
このレンズは後期ごろから6bitコード付きになりましたが、この描写でデジタル対応は流石にまずいと考えたのか、
第二世代以降はレンズ構成を踏襲しつつも、デジタル使用を考慮した調整を加えたことで、周辺画質のパフォーマンスが大幅に向上しています。
海外レビューを見ると開放から周辺画質が明瞭で、ミラーレスのLマウント・Eマウント使用時でさえ画質向上が認められ、もはや新設計レベルと呼べるほどでした。
Voigtlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Asph
7群10枚 広角対称型・変形ガウス型

2021年発売。同じスペックのズミクロン 28mmと比べても、開放からシャープで非常に安定した周辺画質を発揮しています。加えてコントラストの高さも今回比較したレンズの中では随一です。
これがデジタル使用を前提とした現代レンズの描写力であることを強く実感できます。
ただし、これはあくまでライカMセンサーに最適化されたレンズのため、ソニーEでは見ての通り画質低下があり、実用レベルもかなり下がります。
MINOLTA M-ROKKOR 28mm F2.8
5群7枚 レトロフォーカス型

当時は純正エルマリートに匹敵すると高く評価されたミノルタ製Mマウントレンズ。
ライカMでは開放から十分にシャープで、オールドレンズとしては文句なしの周辺画質です。
ソニーEではやはり画質低下があり、実用レベルはF8程度からです。それでも先の2本よりは実用的です。
ズミクロンM28mmよりもデジタルセンサーとの相性が良いのは収穫のある結果でした。
ただ、このレンズが抱える最大の難点は、持病である前玉裏のクモリ(通常整備では完治不可)です。そのため良質な個体は絶滅危惧種となっています。この個体はクモリがほぼ発生していません。
Carl Zeiss Biogon T*25mm F2.8 ZM
7群9枚 広角対称型

現行ラインナップのコシナ製ツァイスMマウントレンズです。登場は2005年でZeiss Ikon ZMに合わせたフィルム用設計です。
ライカMでは像の崩れがなく、かなり安定した周辺画質です。絞り込むほどに線の細い精密なディテールを描きます。
ソニーEでは、いずれの絞りでも甘さがありF11でもライカMに見劣りします。
AVENON 21mm F2.8 L
6群8枚 レトロフォーカス型

過去にフィルムで使用した際は、特に悪い印象はありませんでしたが、デジタルではなかなか厳しい描写と言えます。
特にソニーEでは正直言って使う気も起きないほど画質低下が著しい結果です。
もっとも、アベノンが「三協光機/コムラー」の流れを汲むコスパ重視のメーカーであったことも考慮すると、この写りに文句は言えないかもしれません。
また、唯一長所と思えた点は、レトロフォーカス設計の恩恵か周辺光量に余裕があるように感じられたことでした。
Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P
6群8枚 広角対称型

今回、ライカとソニーで唯一、画質の逆転が起きたのがこのレンズです。
ソニーでは開放から実用的な画質で以降の絞り値においても目立った画質変化はありません。
一方、ライカは開放がやや流れ気味でF8ごろから明瞭となり、F11ではソニーと同等かわずかに上回ります。
これについて画面全体で比較したところ、私のライカM10-Rにこのレンズを装着した場合、ごくわずかに無限遠に届いていない「前ピン/アンダーインフ」になっている可能性がありました。光学的ではなく機械的な要因があるのかもしれません。
良い結果としては、ソニーでも特に画質低下は感じず問題なく使えることが判明しました。
まとめ
レンジファインダー用の広角レンズはカバーガラス厚の差による画質への影響が一層強い結果となりました。
中にはデジタルライカMでさえも本来の性能を発揮できないレンズもあり、テレセン性のシビアさは避けられないものがあります。
今回画質比較したレンズの中で、ソニーEマウントで実用使用できるレンズは「COLOR-SKOPAR 21mm F4 P」くらいかなと。
オールドレンズとして割り切るなら「M-ROKKOR 28mm F2.8」が実用候補に入るかと思います。
まあミラーレス一眼では専用マウントの現行の広角レンズを使うのが最良なのは明白なんですけどね。
今回で2メーカーボディによる画質比較は終了となりますが、余力があれば番外編として一眼レフ用レンズも考えています。
以上、ライカ/ソニーセンサーでの広角レンズ画質比較でした。
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