有効期限の切れたネガフィルムを使って撮影してみました。
【期限切れフィルム】ってどんな写り?
フィルムカメラ再燃ブームの中で当時とは違うポジティブな楽しみ方として
あえて【期限切れフィルム】を使う撮影方法があります。
ロモグラフィー:【テクニック記事】期限切れフィルム、その魅力と特徴にせまる
要するに「ちゃんと写らないから面白い」と言う訳ですね。通常のフィルムでも現像するまで分からないドキドキ感があり、それをさらに上回るスリリングさが味わえる。
そして今回使う期限切れフィルムは【FUJICOLOR SUPER G ACE 800】です。
既に廃版となった高感度フィルムでコンパクトカメラを入手したときにオマケで付いてきました。
そして気になる有効期限は
「1997年7月」
期限切れ後、20年以上も経過しています。大げさに言うと前世紀。
「フィルムは生モノ」と言いますし、熟成させるほど味が良くなるとは思いませんが笑
さて、期限切れフィルムで撮影するにはいくつかの注意点があり
最も重要なのが露出設定です。
経年劣化により感度が低下しているので【10年切れ=露出+1.0段】で露出不足を補うのがセオリーと言われている。
今回は劣化度合が大きいとされるISO800の高感度フィルム。それでいて20年以上経過しているので基本3段分は明るく撮っておきたい。
これで実質ISO100となり、そこからシャッター速度に余裕があればさらに明るく撮ることにした。
ネガはオーバー側に強い耐性を持つので、アンダーに写った場合より遥かに良好な結果となるはずだ。
撮影に使うカメラ本体は何でも良いと言う訳ではなく、少なくとも全自動のコンパクトカメラは不向きです。条件としては、
・露出補正やISO感度の手動設定が可能
・フィルム自動巻き上げ式
・レンズは明るいほど良い
DXコードによる自動感度設定のみのカメラは真っ先に除外。まぁパトローネのDXコードを偽装すれば出来なくもないが。
また流石にここまで古いとフィルムが硬くなっている可能性もあり、安定したモータートルクで巻き上げる自動式が望ましい。
手動式だと巻き上げ操作が重かったりパーフォレーション(フィルム上下の等間隔の穴)が破れてしまう可能性もある。10年未満の期限切れならこの心配は無いと思います。
これらを考慮して所有するフィルムカメラの中で選んだのは、
MF一眼レフの【CONTAX Aria】とした。フィルム装填後にマニュアルでISO100に変更。露出補正ダイヤルもあるのでシャッター速度と相談しながら細かく露出設定が出来る。
それでは以下は実写です。
期限切れフィルム実写作例
使用したレンズ
Planar T*50mm F1.4 MMJ
Distagon T*18mm F4 MMJ
Nikon ES-2でデジタイズ後、Adobe Lightroom+Negative Lab Proで書き出し
一枚目。オイオイ…普通に写ってるじゃんッッ!!
これはホントに予想外。あまりにもまとも過ぎる写りでちょっと肩透かしと言うか素直に喜べない心境ですねぇ。もっと何じゃこりゃ!?な写りを期待してたのですが。
コントラスト・シャープ・カラーバランス良し、粒子の粗さも目立たたず使うフィルム間違えた?と思うくらい。
ただこれは露出を3.0段以上明るく撮った結果であることは明白。比較としてISO800のままで数枚撮れば良かったかも。
あと現像後のフィルムはカールが強めに出ていた。
若干退色の気配が見えるカットは数枚ありましたが、それでも他で見るような期限切れフィルムの写りと比べれば全然普通。
薄暗いシーンでも妙な色被りは出ていません。
このカットは非常に粒子の粗い写真になった。ようやく劣化の影響らしきものが出たか?
デジタルノイズであれば目障りこの上無いが、純粋な化学反応であるフィルムのランダムな粒子となればむしろ雰囲気を引き立ててくれる。
路地裏の怪しげな雰囲気が出ていますね。
まとめ
今回使った期限切れフィルムはアタリ?と言うべきか顕著な劣化は見られなかった。箱がボロッちぃ割に保管環境は良かったのか。
ただ、調整幅の広いLightroomと非常に優秀なネガ編集プラグイン「Negative Lab Pro」に助けられている部分は大きいと感じている。
例えば安いフィルムスキャナーや現像店におまかせでデータ化すると多少結果は変わる可能性もあったでしょうね。
まぁともかく、個人的には期限切れフィルムを好んで使うことはもうないだろうなと思う。別に新品フィルムと比べて格安と言うほど安価で手に入りませんし、撮影したフィルムが一本全滅なんて可能性もあるのは、遊びと言えど抵抗ありますしね。
以上、期限切れフィルムの実写レビューでした。
追記:年代の違う3本の期限切れフィルムで新たに撮影してみました。
【3本撮り】期限切れフィルムのラスト撮影
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