【SONY E50mm F1.8 OSS/SEL50F18】のレビュー
『骨董市』で出会った現行Eマウントレンズ
今回はソニーEマウントのAPS-C用単焦点レンズ
【E 50mm F1.8 OSS / SEL50F18】のレビュー。
正直言って特に欲しいレンズでもなかったのですが上の見出し通り、真っ当な入手先ではない偶然手に入ったレンズです笑
ソニー公式製品ページ:E 50mm F1.8 OSS/SEL50F18
この日訪れた骨董市・蚤の市とか呼ばれる古物イベントで何の期待なしに散策していると陳列とは程遠い状態で段ボール箱に放り込まれたカメラ群が。
覗いてみると大半はフィルム時代の機材でカメラ店のジャンク棚と同じような顔ぶれ。もちろん手入れは一切なしで端から見ればガラクタ箱だ。
何か一つくらい面白そうなものないかと探ってみると一目でミラーレス用と分かるレンズを発見。
手に取って見ると、えっこれEマウントの単焦点やんけ。場違い過ぎない?展示用のモックアップ?と疑うが間違いなく実物。キャップと保護フィルターも付いて状態は良さそう。
これおいくら?と店主に聞くと
「うん?2,000円でええよ」はい即決します。値切るとか無粋なことはしません。
ちなみにAPS-C用標準ズームのE PZ16-50mm F3.5-5.6 OSSも一緒に転がってましたが見るからに壊れてダメそうでした。
値段はこれも2,000円…流石にこれはパスしましたね。
何やら長い望遠レンズは4,000円、他の小さいレンズは2,000円とパッと見で値段決めてるラフな店主でしたね。骨董市の醍醐味を見ました。
持ち帰ればすぐにカメラへ装着したい所だがまずは徹底清掃と光学状態をチェック。
レンズ内にカビやクモリはなく外装のキズも少ない。中古店でも良品クラスで並びそうな状態だ。
そしてα6300に装着すると何ら問題なく動いた。レンズファームウェアも既に最新Ver.だ。
骨董要素なんて皆無ですねこれ…一体どんな経緯で骨董市まで流れ着いたんでしょうね。
発売は2012年でEマウント初期のNEX時代からある古参レンズ。当初はシルバーカラーのみで翌年にブラックが追加。
外装はこの世代特有のアルミニウム主体のツヤあり仕上げ。
高品位さを演出するイメージだったんでしょうがキズが付くと目立ちやすく対衝撃・擦傷性は高くない。またレンズ交換時などは気を抜くと滑りやすい。
MF用のピントリングこそ幅広く設けられているが回転角が異様に大きくレスポンスも悪い。店頭の展示品と比べてみたがこの個体特有ではありませんでした。
外観や操作性など現代レベルにマイナーチェンジしても良さそうだけど既に10年以上前のレンズですからね。追加コストを掛けるほど今後の需要が望めるかは微妙な存在でしょうね。
α6300xE50mm F1.8 OSS 実写作例
ボディ:α6300
Adobe LightroomでRAW現像
レンズ補正あり 周辺光量は好みで調整
35mm判換算で75mm相当の中望遠画角となる本レンズをスナップ撮影に持ち出すと漠然と撮るより被写体を注視して切り取るイメージで使うことになる。
α6300の屋外使用は久しぶりで普段フルサイズを使っていると撮り始めはフットワークも多少変わりパースにも若干の違和感がありましたね。
歪曲収差はデジタル補正を適用してもわずかに変化する程度。素のままでも問題になりません。
周辺光量落ちは割と多くオフ固定だとちょっと使いづらいと思います。
基本的にレンズ補正の設定は歪曲・周辺光量ともにオン固定。RAW現像時に周辺光量のみ微調整しました。
開放付近では軸上色収差/カラーフリンジが割と目立つ描写です。ピント部前後だけでなくボケの輪郭にも出る場合もあるので後処理でも完全除去は難しいと思います。
最近のレンズではあまり見ないオールドレンズ風の味わいでこれを良しとするかは好みの問題になるけど、
まあ10年以上前の設計でこのコンパクトさなら欠点と呼べる程ではありません。
遠景はF8程度に絞れば周辺までシャープに写る。
しかし約2400万画素クラスの時点でさらに余裕を持っているような解像感はなく、それ以上の高画素だと粗が見えてきそうな印象。
AFはインナーフォーカスで駆動音は比較的静音。スピードは今の基準で見ると俊敏さに欠ける感触です。
普通の静物撮影なら特に不足を感じないα6300では近接域でモタつくウォブリングの挙動がありレスポンスの悪さを感じた。
α7IIIだと多少改善したのでボディ側のAF性能も大きく依存するが限界はあると思う。
最短撮影距離は「0.39m」最大撮影倍率は「0.16倍」
マクロ的なクローズアップが出来る訳ではないが大口径のボケを活かして被写体を浮かび上がらせるような描写は得意だ。
背景がザワザワしがちな梅の撮影でも使い勝手の良いレンズでしたね。
まとめ
個人的な「E50mm F1.8 OSS」の印象はFEレンズ初期の銘玉「Sonnar T* FE55mm F1.8 ZA」の廉価版な印象。どことなくAFや絞りの挙動が似ている。
このレンズの特徴を簡単に挙げると
・ソニー純正では安価な価格設定
・コンパクトサイズの大口径中望遠
・キットズームでは得られない大きなボケ描写
・光学式レンズ内手ブレ補正搭載
・現行品だが10年以上前の設計
・軸上色収差が多少目立つ
・AF速度は高速ではない
競合レンズは「SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary」になりこちらの方が新しい設計だが、
本レンズはシャッター4段相当のレンズ内手ブレ補正を搭載しているアドバンテージもある。youtubeなどで実際に比較している動画もあったので購入検討の人は参考にしてみても良いと思います。
以上【E 50mm F1.8 OSS / SEL50F18】のレビューでした。
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