プロジェクターレンズ【LEICA COLORPLAN-P CF 90mm F2.5】の実写レビュー
ライカの美ボケプロジェクターレンズ
ボディ:SONY α7III
Adobe LightroomでRAW現像
レンズ外観レビューは以下
【プロジェクターレンズ】Leica COLORPLAN-P CF 90mm F2.5 レビュー
絞りのないレンズなので全て開放絞りです。

COLORPLAN-P CF 90mm F2.5は他のプロジェクターレンズのようなバブルボケを目的としたやや特殊な感覚は全く無く、一眼用単焦点と遜色のない高コントラストと中心解像度、そして美しいボケ味が特徴。
今回は光量のたっぷりあるシチュエーションが多くヌケの良い写真が撮れた。

高性能な歴代COLORPLAN90mmの中でCFタイプの難点だと言われる像面湾曲は明確にあり、遠景で最も顕著になるようです。
しかし90mm F2.5の浅い被写界深度内では画面全体にピントが合うことは少ないので、意図して平坦な構図を撮らない限りは気にはならないはず。

繰り出し量の多いヘリコイドアダプターでマクロ撮影も余裕でこなせる。

近接時はほんの少し甘くなるが十分な解像力。
ディテールはオールドマクロレンズによくある硬調な写りではなく繊細なもの。
映写用途のPレンズらしく解像のピーク距離は1m~10m未満と言った所でしょうか。


ボケ味はグルグルやザワザワした感じではなく、ピント面が自然に浮き立つなめらかで上品なもの。マクロ域でもボケは破綻せず一層美しくなる。
ただしヘリコイドを伸ばし過ぎると四隅に若干のケラレが発生するようだ。



高輝度の背景でも葉のエッジに目立ったカラーフリンジは出ない。
一眼用の中望遠でも軸上色収差/フリンジは珍しくないのに、このレンズの一体何がここまでスッキリとした写りにさせるのか。
アポクロマートとまでは言わないものの、設計へのこだわりを感じさせられる。


玉ボケに口径食が少ないことも特徴。



やはり中央の解像度は高い。


池のほとりでヌートリアと遭遇。草を食みながらじわじわと向こうから近付いてきて、こっちが困惑するくらいに人間への警戒心が薄いです。
ただし性格は決して温厚ではなく、歯は恐ろしく危険なので絶対に触れ合えるような生き物ではない。

今回遠景はほとんど撮りませんでしたが、ご覧の通り像面湾曲の影響で周辺が流れているのが分かるかと。
これを酷い写りだと言うのはPレンズに対して的外れでしょう。
まとめ
3群3枚のトリプレット構成が多いプロジェクターレンズは専ら“バブルボケ専用レンズ”として意義を見出していたが、
独自の設計であるCOLORPLAN-P CF 90mm F2.5は正反対の端正な描写を見せてくれた。
ドイツ製と比べ品質の落ちたポルトガル製かつ、周辺画質に難のあるCFタイプでもここまで優秀なのはプロジェクターレンズと言えど流石ライカであると納得。
前期型はELMARIT-R 90mm F2.8と同等のレンズ構成で周辺画質も優れているようですが、ボケ味はCFタイプの方が好ましいものに見える。もし安く入手できたのなら撮り比べもしてみたいですね。
以上【COLORPLAN-P CF 90mm F2.5】の実写レビューでした。
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