フィルムコンパクトカメラ【Leica mini(ライカミニ)】の外観レビュー
エルマーレンズ搭載の小さなライカ
【LEICA mini(ライカミニ)】は1991年に発売されたAFフィルムコンパクトカメラ。コンパクト機ではレンズに初めてELMAR(エルマー)銘が与えられた。
93年にはストロボ機能を拡張した「mini II」が、96年にレンズをSUMMAR35mm F3.2 に変更した「mini 3」が登場している。
当時から周知されていたがライカミニは日本製で『松下電器産業:現パナソニック』製造のいわゆるOEM製品です(厳密には松下の傘下企業)後に発売される高級コンパクトのLEICA miniluxなども同様で2社の良好な関係は現在のLマウントアライアンスにまで続いている。
ちなみにライカミニと同じベースのOEMカメラもいくつか存在する。
・Panasonic C-D625AF Super MINI
・OLYMPUS TRIP AF MINI
・MINOLTA Pico / RIVA MINI
どれも外観が良く似ており基本スペックはライカミニ、ミニIIと同じですが、レンズが34mm F3.5となっていたり細部の仕様に微妙な違いがあるようです。
ライカミニはカタログ内で“ライカによって特別に設計されたレンズ”とやたら強調しているので、OEMと言えどライカの要求したチューニングが施されているのは間違いなさそうです。
フォーマット | 24×36mm 35mmフィルム |
レンズ | ELMAR 35mm F3.5 3群4枚 前面にUVa保護フィルター付き |
シャッター | 絞り兼用電子シャッター 1/5~1/250秒・B(最長5秒) |
フォーカス | 赤外線アクティブ測距式 ∞~0.65m |
ファインダー | アルバダ式ブライトフレーム 視野率85%、倍率約0.45倍 AFエリア、近接補正フレーム、AF/AEランプ付き |
露出制御 | SPDプログラムAE、中央重点平均測光 |
その他 | 内蔵ストロボ、セルフタイマー、AF/AEロック 無限遠モード、デート機能、 DXコード対応、自動電源オフ機能 |
使用電池 | CR123A×1 |
外寸 | 118×65×41mm |
重量 | 約175g 本体のみ |
発売時価格 | ¥55,000 |
現在の相場はフィルム再燃ブームとライカブランドの相乗効果で高騰気味。
今の2~3万の相場では私は手を出さないと思いますが、ジャンク品と言うことでかなり安く入手。外観もキレイで動作も問題のない大当たりでラッキーでした。
外観はどこから見回してもプラスチック感溢れるプラカメです。それでもどこかエレガントな雰囲気が漂うのはライカブランドの魔力か。
フロントの曲線でカットされた凹みは指掛りが良くホールド性が良い。
角型のレンズ部は同年代の「Konica BIGmini」や「Nikon AF600 / ニコンミニ」「FUJIFILM CARDIA Travel mini」などと似ており流行りのスタイルだったんでしょうかね。みんなミニって名称付けてますし笑
右肩にはライカのシンボルである赤バッジ。プリントではなく立体成型の別パーツです。
最近ではコレ見よがしな赤バッジを控える傾向にあるが、それは高級機の話であって、プラカメのライカミニではこのバッジがあればこそ。
搭載レンズ「LEICA ELMAR 35mm F3.5」の前面にはハードコートUVaフィルターが備えられている。
レンズ構成は3群4枚。てっきりテッサータイプかと思い込んでましたが、1群目を貼り合わせとしたテッサータイプをひっくり返したような独特の構成。この時期のコンパクト機によくあるプラスチックレンズは使われていない。
ライカが特別に設計したと言うのも大げさな話ではなさそうです。
絞りは後玉より後方のシャッター羽根と兼用のビハインドシャッターです。
電源オンでレンズがスタンバイされた状態。
ウィ~ンと繰り出す動作は割とのんびり、シャッタータイムラグもそこそこ大きく、咄嗟のシャッターチャンスには弱そうだが時代的にはどのAFコンパクトもこんなものでしょうね。
操作なしで5分経過後に自動電源オフが作動します。
カメラ上部。左肩には液晶画面があり撮影状態が確認出来る。
モードボタンでストロボ設定や無限遠モードの切り替えを行う。ストロボ発光停止モードでは最長5秒のバルブ撮影も可能。
ボタン類はシャッターボタンのみプラ製で他はラバー製。
デート機能を備える背面は一番チープ感が強いかも。
デート日付機能は2019年まで。裏蓋内にCR2025のボタン電池が必要です。
ファインダーの見え心地はなかなか良好でプラカメとしては快適に撮影出来るレベル。ファインダー上部にはAF/AE確認のLEDランプがあります。
裏蓋を開けたフィルム室。フィルムガイドレールや圧板もプラ部品です。
DXコードの対応はISO50~1000まで。DXコードなしのフィルムは100に固定される。モルトはフィルム確認窓にのみ使われています。
個人的に高く評価したいのが裏蓋のロック爪の形状。よくあるフック状ではなくプレート型なので破損率も低そうだ。
一眼レフでさえココが割れてジャンクとなったものがありますからね。
パトローネ収納部にはライカの正規代理店だった日本シイベルヘグナーのシールが見える。輸入と言っても日本製なんだけども。
使用電池はリチウムCR123Aを一本。また充電タイプも試してみたが液晶画面が怪しい表示を示したので使わない方が良いです。
底面には三脚穴と日本製造を示す文字。
付属品に上質な作りの本革製ケースも付いてきたが、内側の素材が劣化しているのか黒い繊維がポロポロ出てくる。これはあまり使いたくない笑
まとめ
LEICA miniシリーズは当時から安価なコンパクト機扱いで、本当の高級コンパクトはLEICA minilux。と言うのは明白ですが、これも歴としたライカブランドのカメラですから普通のプラカメとは一線を画すものはある。何せライカですから…
一応、動作確認も兼ねたファーストロールも撮り終えていますが、特に不満もなくほぼフルオートで気軽にパチパチ撮れる可愛げのあるカメラですね。
エルマーの描写も他のプラカメとはちょっと違うかも!?と思わせる実力は感じ取れたと思う笑 いや普通に写りは良かったです。
以上【LEICA mini(ライカミニ)】の外観レビューでした。
コメントを残す