Lomography/ロモグラフィーのフィルムコンパクトカメラ【LOMO LC-A+】のレビュー
熱狂的ファンを持つロシア産まれのカメラ
フィルムコンパクトカメラを色々調べていると【LOMO LC-A】と言うカメラは必ず見聞きするはずだ。ロシア産まれのそのカメラは90年代に世界的なブームを巻き起こし若者を中心とした“ロモグラファー”と呼ばれる愛用者達も現れた。
肩肘張らないフィルム遊びとして丁度良さそうなカメラであるが、私は特に欲しいとは思わなかった。よく言われる個体差や故障のしやすさとか聞いちゃうとね。
しかし現行品である「LC-A+」の付属品完備の上物を中古格安で見つけたので勢いで買ってしまいました。
LC-A+の仕様や成り立ちについては専用サイトを見るのが一番分かりやすいのでそちらをどうぞ。
【ヒストリー:LC-A+ ロモグラフィーを象徴する実験的な35MMフィルムカメラ】
このサイトではLC-Aの元ネタになった「Cosina CX-2」を真っ先に紹介しているのはとても正直ですね笑
実際に手にするまではトイカメラのようにチープな作りかと思ってましたが、プラ外装は梨地塗装され想像以上に質感の良い筐体で感心。
まぁ落としたら間違いなくどこか壊れそうな感じではあるが笑
上部はかなりスッキリしたデザインでLC-A+の文字がある。
シャッターボタンは適度な押しごたえがあり、撮ったぞ!と言う確かな感触は結構好き。
右端のフィルムカウンターは透明パーツの反射と湾曲があってちょっと見難い。
ボディ底には小さく「CAMERA MADE IN CHINA」の文字。
目に付くのはレンズ開閉スイッチの他、LC-A+で追加された多重露光(MX)スイッチ。
一度シャッターを切った後、フィルムを巻き上げずにこのMXスイッチをスライドすることで、同コマ上で再露光が出来る。
搭載レンズは「MINITAR-1 32mm F2.8」
この個体はレンズバリアにロシア製レンズを示す文字がある。
LC-A+を生産するにあたっては、まず在庫が残るロシア製レンズエレメントを新たな生産拠点の中国工場へ持ち込み組み立てられた。
そのバージョンは「LC-A+RL(RUSSIAN LENS)」として区別されオリジナルの描写に最も近いLC-A+として少しプレミアム感があるらしい。
レンズコーティングにも違いがあり、ロシア製はパープル系、中国製はアンバー系とのこと。
うん、まぁ個人的には別にロシアでも中国でもねぇ…って感じなんですがね。
ちなみにこのMINITAR-1をライカMマウント用とした交換レンズも販売している。
【Lomo LC-A MINITAR-1 Art Lens 2.8/32 M】
ピント合わせは目測式のゾーンフォーカス。レンズ横のフォーカスレバーで操作する。距離目盛と同じ4段階のクリックがあり慣れればその感触だけで素早くピント合わせが出来る。
その上にある小さなダイヤルはISO(ASA)設定ダイヤル。設定範囲は「ISO100~1600」前のLC-Aは「ISO25~400」だった。
ISOダイヤルのロックが若干緩めでバッグやポケットの出し入れで不意に回っていることもあり、都度確認した方が良い。この部分もフィルムカウンターと同じで数字が見難いですね。近くの丸い部分は露出計の測光窓。
初めての撮影ではちょっとしたアクシデントがありました。撮り始めた直後に距離目盛のプレートが外れる事態に笑 部品は少量の接着剤で止めているだけのようで経年劣化でカピカピだった。
部品は運良く手の中に落ちたので無くさずに済んだが、コレ気づかぬ内に消えてたらショックだったろうなぁ…
カメラはやたらと凝った木箱に収められており付属品も充実。古典的なレリーズケーブルも付いてました。このパッケージはLC-A+初期のものと思われ、現行品は紙パッケージになっている。
まぁこう言う付属品は揃っていれば嬉しいけど、買った後は保管するだけですからね。
付属品の中には未使用のフィルムも付いてました。
外箱がロモオリジナルだったのでロモ製フィルムか?と思ったら中身は「FUJICOLOR SUPERIA 100」でした。使用期限は不明だが恐らく10年超。
保管状況にもよるけど実質ISO50くらいに感度が落ちているはず。これ設定下限がISO100までのLC-A+には不向きなんですね。
一応こう言うテクニックも紹介されているが、
【Lomography:あなたのLC-A+をISO12に設定する方法】
初撮影は露出計の精度確認の必要もあったので見送った。それに多重露光用として使えばそのままで大丈夫なんじゃないかな。
LOMO LC-A+ フィルム作例
使用フィルム:FUJICOLOR 業務用100
Nikon ES-2でデジタイズ後、Adobe Lightroomで書き出し。Lightroom+Negative Lab Proで新たに再現像しました。色合いと階調性が抜群に改善したので画像の入れ替えを実施。
Lomo LC-Aで撮られた写真と言えば、クロスプロセス現像の色被りしたハイコントラストのイメージが強いが、通常のネガ現像であのインパクトを出せるばずもない。
ましてやクセの少ない業務用100ともなるとね。その辺りも若干意識してデジタイズ時にコントラスト強めに調整しています。
あ、指が写り込んでしまった。
えぇ?コレも?
マジかよ 何てこったい…
もう見苦しいのでこれ以上載せませんが、24枚撮りで8枚ほど指が写り込んでました。もちろんLC-A+は何も悪くない。悪いのはおマヌケな自分だ。
周辺は像が流れ気味なものの、特徴である周辺減光からくるトンネル効果は思ったほど強く出なかった。
LC-Aでよく言われるレンズの個体差だろうか。
LC-A+には賑やかな場所が似合うだろうとアメリカ村へ
アメ村はビビットな被写体探しに困らないね
いかにもフィルムで撮りたくなる古着屋さん
背景ボケは二線ボケなどが見られるザワザワした感じ
まとめ
LOMO LC-Aは“トイカメラ”と紹介されていることも多々あるけど、私はLC-Aをトイカメラとは呼びたくないなぁ。機能性では日本製の目測式フィルムコンパクトと何ら遜色ありませんから(品質は別として)
フィルム初心者にも使いやすいカメラで、地元のカメラ屋さんではLC-A+を貸し出してワークショップを開催してましたね。
期待してたレンズの描写はクセはなく存外普通の印象。ピントが合えば中央はそこそこシャープ。
LC-A+のウリの一つである多重露光機能も使おうと考えてましたが、いざ撮り始めると完全に頭から消えてましたね笑
今度は多重露光縛りで一本撮ってみようかと思います。
以上【LOMO LC-A+】のレビューでした。
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