ロモグラフィーのクロス現像専用フィルム「X-Pro Slide 200」のレビュー
トリッキーなクロスプロセスにチャレンジ
フィルム撮影の頻度も増えてきた所で【クロスプロセス】なるものにトライしてみました。
クロス現像/クロスプロセスとは:
「ポジ/リバーサルフィルムをネガフィルムの現像方法で処理すること。またはその逆」を行う撮影技法。
クロス現像の効果は主に
・色調が大きく偏る
・コントラストがかなり強調される
・フィルムの粒状感が増す
などで奇抜な写りと言ってしまえばそれまでだが、インパクトがあり面白い写真が撮れる。
今回撮影したフィルムは「Lomography X-Pro SLIDE 200」と言うクロス現像専用のリバーサルフィルム。既に生産終了品かな?
【ロモグラフィー:XPro 200 ISO 35mm 3 Pack】
入手したのは使用期限が不明のジャンクフィルムで、少なくとも10年弱は経過してると推測。
リバーサルフィルムは期限切れによる劣化がネガよりも顕著に表れるので注意が必要だが、クロス現像すれば強烈な描写によって劣化を目立たなくさせることが出来るらしい。
クロス現像はチェーン店だと特殊現像扱いとなり受付不可or工場送りになることがほとんどなので、ネットから申し込んでフィルムを郵送する格安の現像店へ依頼した。
出来上がった現像後のフィルムは怪しげな紫色に。それよりも驚いたのは見たこともないくらいフィルムが強くカールしている!
これは期限切れの影響?それともクロス現像するとこうなってしまうんでしょうか?
幸いこれは横方向へのカールなのでマシとも言える状態で、縦方向にカールしていたら“ビネガーシンドローム”と呼ばれる深刻な劣化現象に陥っており、プリントやスキャンするのも困難な場合がある。
クロスプロセス実写作例
ボディ:CONTAX 167MT
レンズ:PlanarT*50mm F1.4・DistagonT*18mm F4
Nikon ES-2でデジタイズ後、Adobe Lightroomで書き出し。
肉眼で見た景色とは全く違う異様な世界観。クロス現像の特徴通りにかなり強烈な写真になりました。
今回は現像と同時にCD-Rへのデータ化も依頼したんだけど、どうもイメージと違う仕上がりで結局自前でデジタイズしました。
こっちがお店スキャン(画質補正なし) マゼンタ寄りでとにかく赤っぽいんですね。ほぼ全てがこんな感じ。
ロモグラフィーいわく、このフィルムはイエロー~グリーンが強く出る色調らしいのでこれには違和感がある。
ただ、同時に現像依頼したノーマルのネガは全く問題なかったので、変則的なクロス現像だとスキャナーの自動補正が上手く行かないのだろうと納得はしている。
とは言え、自分で調整しようにもベースカラーが分からないので手探り状態。公式作例を参考にしつつ好みを加えて調整しました。
極端な色被りに支配された写真に見えてもトーンカーブの調整次第では実物の色に近付けたりも出来る。これはマゼンタを少し残しました。
クロス現像で粒状感が強まるのは分かっていたけど、ここまでザラザラになるとは予想以上。やはり期限切れなのも影響しているのかな?
超広角はクロス現像のインパクトをより強調できると思う。
モフモフしても全然起きない爆睡猫。カメラに向かって寝返りのサービスも頂きました。
まとめ
ただでさえ撮ったその場で確認出来ないフィルム撮影。そこからさらに予測不可の写りになるクロスプロセスは中々スリリングな体験です(最悪フィルム1本全滅も覚悟してましたから)
しかし何度もやってみたいかと言われると、どうでしょうかねぇ…
使用期限内のリバーサルフィルムをクロス現像に使うのは抵抗があるし、期限切れのリバーサルが手に入ったらまた撮ってみようかな、と言う感じ。
フィルム撮影しててまだ未体験の人は、一度トライしてみてもイイんじゃないでしょうか。
以上、クロスプロセスのフィルムレビューでした。
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