【PENTAX MZ-5N】でマニュアルフォーカスをより使いやすくするための小改造レビュー
PENTAX MZボディのスクリーン交換方法
今回は【PENTAX MZ-5N】のMF性能を強化してみました。
このボディのフォーカシングスクリーンは今のデジ一と同じような「ナチュラルブライトマット」でフォーカスエイドのアシストもあるとは言え、往年のMF一眼レフのピントの掴みやすさには及ばない。
そこで活用出来るのがMZシリーズ唯一のMF専用機である『MZ-M』です。このボディにのみ“マイクロプリズム+水平スプリット”のMF専用スクリーンが使用されている。
既に知られていますがMZシリーズのフォーカシングスクリーンはいずれも固定式の仕様であるものの、実は交換式と同じようにミラーボックス側から取り外せられる構造になっている。もちろんこれは非公式の改造行為となるので自己責任となります。
そしてワンコインほどでMZ-Mのジャンクを確保。
外観はMZ-5やMZ-10などのパーツを寄せ集めたようなデザインで、マウントはプラ製、内蔵ストロボなし、ファインダーはペンタミラーなど割り切った設計。
動作はMZシリーズが抱える持病のミラー故障品でしたが、お目当てのフォーカシングスクリーンはキズもなくキレイで一安心。
交換作業に使用する道具は精密ピンセットでも行えるが、市販の交換スクリーンに付属している専用ピンセットを使うのが一番確実だった。
ただ、ユーザー自身でスクリーン交換可能な機種と比べると少々神経を使う構造になっている。上の写真を撮るため久しぶりに外してみたら思った以上に時間が掛かってしまった。
単に金属枠のロック爪を起こしてスクリーンを降ろせば良いだけなのだが、金属枠は薄く細いので力の入れ過ぎは厳禁。ミラークッションのモルトも絶妙に邪魔してくるので集中力を切らしてうっかりキズを付けないように。
上手く外れたらブロワーでゴミも飛ばしておく。
スクリーンを入れ替えたらカチッと感触があるまで押し戻して金属枠が均一に収まっていることを確認。
後は信用できるMFの標準単焦点を装着して無限遠がピタリと合っているか確認。中央のスプリット部だけでなく周辺のマット部分も片ボケが起きていないか要チェック。
またAFレンズは無限遠に余裕を持たせているのでピント確認には適しません。
注意点として仕様外のスクリーンになったため測光精度に少なからず影響が出るらしく「スポット測光」は避けるべきとのこと。AFポイントも中央一点のスポットAFが無難かと。ワイドAFと言っても左右にチョロっとある程度ですし。
私は元々、中央重点測光+スポットAFで使っていたので特に不便には感じていない。
AFレンズでもスプリットがススッと動きピントが合うのは面白くて気持ちが良い。他にこれが体験出来るのはNikon F4かCONTAX AXくらい?
もう一つのMZ-M活用ポイントが裏蓋。
MZ-Mはデート機能なしのフラットな裏蓋が装着されているので、デート機能が不要で少しでも軽量化したいのであればコレも頂く。
形状は完全互換の簡単なピン接続なのでいつでも元に戻せる。
軟質プラの電池蓋は溝が潰れたり、開閉部分がヘタりやすいので予備部品として使える。交換は底カバーを外すだけで可能。
ちなみにMZシリーズ二大持病の一つとして内蔵ストロボのポップアップ不良があり、発生した個体はストロボがユルユルになって非常にみっともない。
原因は内部の樹脂製の軸部品がストロボを跳ね上げるバネの力に負けて割れてしまうのだ。ミラー駆動のピニオンギア割れと同じくこれも樹脂部品の経年劣化によるもの…当時の高級一眼でもプラカメは消耗品となってしまうのがツラい。
ストロボを収納している時は常にバネの負荷が掛かっていると思われるので、可能であればポップアップさせたままでの保管が良いのかも?
最後に絞り制御ユニット部の部品はPENTAX K-30などの持病で知られる「黒死病」の補修部品として使い道もある。
ミラー故障でどうしようもないMZボディでも何かと活用できる部品がある。まぁ世の中の大半の人は壊れて価値が無いものと認識しているので、その分安価に調達できるのは助かりますね笑
以上、PENTAX MZ-5Nの小改造レビューでした。
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