ホームメーカー別CanonCanon 50mm F1.4 II (L39) 外観レビュー

Canon 50mm F1.4 II (L39) 外観レビュー

レンジファインダー用標準レンズ【Canon 50mm F1.4 II (L39)】 の外観レビュー

国産ノンライツの手堅い選択になる大口径標準レンズ

今回レビューするのは1959年にCanonレンジファインダーカメラの標準レンズとして発売された【Canon 50mm F1.4 II (L39)】です。

キヤノンカメラミュージアム:Sレンズ CANON 50mm F1.4 II

この個体は距離指標のフィート(ft)がないメートル(m)のみの表記だが筐体サイズや重量などからII型と判断します。

Canon 50mm F1.4 II (L)

大手キヤノン製の標準レンズと言うこともあり流通数も多く値段も手頃。

特筆すべきポイントは《光学状態の良い個体が多い》ことです。

同時期の50mmには「F1.2」と「F1.8」があるがそのどちらも高確率で【中玉のクモリ】が発生しており美品を探し出すのは労力と対価が必要になる。

F1.4はそれらと比べ持病と言える特定の症状はなく美品でも極端な高値は付きません。

ちなみにF1.8はSerenar銘としても存在するシルバークロームのI型はクモリの発生していない個体が多い。

マウントライカL / L39
レンズ構成4群6枚
絞り枚数9枚
最短撮影距離1m
フィルター径48mm
全長×最大径41.7×55mm
重量246g
発売年1959年

レンズ構成は4群6枚のガウスタイプ。大口径の先代モデルと言えるF1.5は3群7枚ゾナータイプでこちらはバルサム切れ個体が多いみたいですね。

Canon 50mm F1.4 II (L)

普及タイプのCanon 50mm F1.8 IIと並べてみるとF1.4の方がワンランク上の風格がある。

このF1.8は見た目はキレイなんですが例の如く中玉クモリで完全ジャンク。

手元に来た時はクモリが発生する絞り後方のレンズ面に水滴が付着、分解清掃してもコーティングのダメージが深刻でほぼ改善しなかった。

保管環境も重要でしょうけど結局は硝材の選定自体が悪かったと言われています。残念なことにF1.2も同じ場所にクモリが出ます。

Canon 50mm F1.4 II (L)

大口径らしくガラスの詰まった感のある大きな前玉が目を惹く。レンズコーティングはほとんどアンバーカラーです。

Canon 50mm F1.4 II (L)

フィルター径は「48mm」で現行販売されているものはわずか。装着しているケンコーMC UVも在庫処分の特価品だった。

デジタルボディではUVカット効果は特に必須ではないが、フィルム撮影でマルチコートタイプ以前のレンズを使う場合は常用したい。

Canon 50mm F1.4 II (L)

専用のレンズフードは「S-50」これは一眼レフ用のFL50mm F1.8とも共通品で流通数が多く安価で入手可能。

根元の固定リングと先端のシェード部分が分離可能のセパレート構造で間にフィルターを挟み込むことが出来ます。同じ型番で一体型のオールブラックもある。

Canon 50mm F1.4 II (L)

最短撮影距離は「1m」レンジファインダー用レンズならごく普通ですね。

絞りリングは一段ずつのクリックです。絞り数字はキレイな等間隔ですね。

Canon 50mm F1.4 II (L)

絞り枚数は「9枚」それなりに多いものの円形絞りとは程遠いギザギザの絞り形状です。画像はF2.8の絞り形状。

ギザギザはF2~F5.6ま出ます。まぁF1.8も同じような形ですしこの時代のツートーンカラーのCanon Sレンズは凡そこんな絞りです。

Canon 50mm F1.4 II (L)

後玉も大きくアンバーコートがよく目立つ

Canon 50mm F1.4 II (L)

純正同士の「Canon7 (1961)」との組み合わせ。割とガッシリとした大きめのボディなのでF1.4クラスでちょうど釣り合うくらいのバランス。

レンズとは別に入手したボディでジャンクだった割には状態良く、ファインダーも清掃してキレイになりセレン式の露出計も調子は悪くない。

後はモルト交換すれば普通に撮影出来そうですが今の所は出番はなさそうですね。

Canon 50mm F1.4 II (L)

こちらはフィルムで使う場合の本命ボディ「Zeiss IKON ZM」です。

L39⇒ライカMの変換アダプターは50mmのフレームに対応したものを用意。

Canon7より切り詰めたスマートなボディなのでややフロントヘビーだがボディケースを履かせればバランスが取れる。

大口径の浅いピントもツァイスイコンZMの距離計ならば難しくはない。

Canon 50mm F1.4 II (L)

最後にミラーレス一眼の「SONY α7III」に装着。F1.4クラスの標準レンズでこのコンパクトさは素晴らしい。

ヘリコイドアダプターを使えば最短撮影距離も縮められるし、LM-EA7などでAF撮影も可能と拡張性は抜群。

まとめ

一眼レフ用の標準オールドレンズを何本も持っていても、レンジファインダー用の標準レンズもまた別カテゴリとして集めたくなるものですね。

しかし国産ノンライツと言うのもレンズ沼として危険度の高いカテゴリなので笑、沼の入り口付近のコスパに優れたレンズで楽しむのが賢明な判断と言えますね…

以上【Canon 50mm F1.4 II (L39)】の外観レビューでした。

【フィルム作例】Canon 50mm F1.4 II (L39) 実写レビュー





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