コンパクトフィルムカメラのレンズをミラーレス用に改造しました。
ジャンクカメラから改造レンズ製作に挑戦
あまりの猛暑続きでとても屋外撮影どころではないので既製のオールドレンズでは飽き足らずに改造レンズの製作に挑戦してみました。
改造レンズ第一号は1976年に発売されたコンパクトカメラ
【富士フイルム FLASH FUJICA/フラッシュフジカ】です。
搭載レンズは「FUJINON 38mm F2.8」当時のコンパクトカメラに多く採用されていたテッサー型の準広角レンズです。小型軽量で製造コストに優れ“しっかり写る”ことが特徴。
機種に関して特にこだわりはなく、めぐり合わせで入手したものだが一応改造レンズに使う条件として
・格安ジャンク品(これ一番重要)
・レンズ鏡胴をそのまま流用可能
・ピントリングがあるMFカメラ
などを基準に選んだ。
手元に来たフラッシュフジカは酷い電池の液漏れがありカメラとして完全に再起不能。だが幸いなことにレンズは非常にキレイなままでした。カビの発生しない環境で電池を入れたまま長年放置されていたことが想像できます。
普通はこのままではオブジェとなるか廃棄されるかの運命しかありませんからミラーレス用の交換レンズとして有効活用させてもらいます。改造失敗したらそれこそゴミ同然になってしまうリスクはありますが笑
FLASH FUJICA Eマウント化
ジャン!いきなり完成形です。
見切り発車と行き当たりばったりで進めたので製作過程の写真は一切ありません笑 フラッシュフジカ本来の姿が気になる人は画像検索でお願いします。
カメラ本体以外に使用したパーツは以下程度です。
・ガラスを外した保護フィルター枠
・ライカL39⇒SONY E マウントアダプター
コンパクトカメラはレンジファインダーと近いフランジバックなのとヘリコイド量に余裕があったので無限遠合わせは想定より苦労することはなかった。それよりもパーツの隙間からの光漏れに対策に難儀した。
α7IIIに装着するとこんな感じ。パンケーキレンズには及ばないが、非常にコンパクト。
レンズ鏡胴にはプラパーツも多用されているため非常に軽く、重量は「約96g」に仕上がった。所有しているフルサイズ対応レンズの中では最軽量かも。
アダプターとの接合部など実用上の強度は確保出来ているはずだが、レンズ交換時はアダプターの根元を持って着脱操作することが厳守。
レンズ前面から。Eマウントの外周よりも小さいことが分かります。
フィルター径は「46mm」CONTAX G用のレンズフードなどが流用できます。
最短撮影距離は「0.9m」の仕様だがピントリングのストッパーを少し削ると5cm程度短縮できた。
本来操作出来ない絞り羽根はピントリング下のASA(ISO)設定リングを改造流用して操作可能にした。しかしASA25~50程度の回転角しかなくかなりアバウトな操作感。
まぁ場合によっては固定絞りか絞り除去も考えてたので使えるようになっただけ上出来です。
世代によっては山や人物のマークに懐かしさを感じるかもしれない「ゾーンフォーカスマーク」
フラッシュフジカのレンズには一応距離目盛はあるものの、ピント合わせは目測で行います。
開放ジャスピンが狙える一眼レフと違い、露出も絞り値もカメラのプログラム任せ。多少のピンボケでもまぁオッケーな大らかな大衆カメラです。
ピントリングはゾーンフォーカス4つのマークごとにクリックが設けられていて、カチカチした感触がチープだけど妙に可愛げのある操作感。
もちろんミラーレスで使用すればピント拡大やピーキングを使って厳密なピント合わせが可能。
マウント側から。少し絞り込んだ状態です。
一眼用交換レンズでは見慣れない奇妙な絞り形状ですが、これは普及コンパクトカメラではポピュラーな「ビハインドシャッター式」と言うもので、シャッターと絞り羽根を兼ねた機構。名前の通りレンズ後玉よりも後方に設けられるのが特徴です。
マウント内側に施した反射防止塗料には「アクリルガッシュ・ジェットブラック」を使用しました。光学専用ではありませんが塗布性、耐久性に優れ中国製の安物マウントアダプターなどの反射軽減にも使えます。何よりも安価なのがイイ。
まとめ
素人がコンパクトカメラの固定レンズを摘出して交換用レンズとして一応の形に出来ただけでも結構達成感はあるのだが、結局は使わないことには意味がありません笑
実際に撮影してみて初めて改造成功か否かが判明しますからね。
レンズ外観はここまでです。
【改造レンズ】FLASH FUJICA/FUJINON 38mm F2.8 作例
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