ライカ ズマリットM 35mm F2.4 ASPH.の実写レビュー
安定感が自慢。使い勝手に優れたズマリット35mm
ボディ:LEICA M10-R
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正あり
画像内EXIFデータのF値はボディ側で算出した推定値なので参考程度に
レンズ外観レビューは以下
【新ズマリット】LEICA SUMMARIT-M 35mm F2.4 ASPH. 外観レビュー

SUMMARIT-M35mm F2.4 ASPH.を入手後、優先的に持ち出して大体こんな写りかなと判断出来る頃なんですが、正直言って「このレンズはスゴイッ」と言う感動はないんですよね。しかし期待外れだった訳でもありません。
使い始めの漠然と撮っていた頃は誇張なく実直に描写する抑揚のないレンズに思えていた。
しばらくして分かってきた特性はピント面を強調するカリカリしたものではなく、絞りや光線状況の変化に左右されずハイコントラストに描写する安定感が強み。
開放付近は拡大すると案外緩かったりすることもあるんですが、階調の豊富さから画面全体で破綻なく解像感のある写真が得られる。

右上端拡大。絞ればM10-Rの4000万画素でも周辺まで高精細に描写する。

これは西日が強い斜光で画面中央に斜め帯状のゴーストが薄く出ているようですね。
逆光耐性の影響が見えたのはこの一枚くらい。オールドレンズならフレアも出まくりの厳しめのシーンじゃないかな。

同じくM10-Rで使っていた「ZEISS C Biogon T*35mm F2.8 ZM」との優劣を主観も含めザックリと比較すると
中心画質:Cビオゴン
周辺画質:ズマリット
周辺光量:ズマリット
歪曲収差:Cビオゴン
逆光耐性:ズマリット
Cビオゴンは開放から性能ピークの中心画質と大きな周辺光量落ちによって力強くインパクトのある写真が得られる。ただしフィルム用設計の為か絞っても画面隅に若干の像流れと色被りが出る。
対するズマリット35mmは画面の平均性重視な印象でトータル性能では軍配が上がる。
海外レビューとかだとコスパも含めCビオゴンがオススメによく挙げられるがデジタルとの親和性はズマリットが有利。
ただ現在は「Voigtlander ULTRON Vintage Line 35mm F2 VM」など新しいレンズもあるのでこの2本以外にも選択肢は多数ある。

6bitコード検出によってボディ内で行われるレンズ補正は周辺光量のみ補正されてるっぽい。
歪曲は無補正のまま。素の状態はわずかな樽型で特に目立ちません。
また補正データはRAWファイルに埋め込まれる形式で後から現像ソフトなどで補正オフにすることは出来ません。


ここからは奈良公園~ならまち辺りをこのレンズ1本で撮り歩いた写真。




前後のボケ味にこれと言ったクセもなく自然に纏まるので使いやすい。
そもそも最短撮影距離0.8mなのでボケを積極的に狙うレンズでもないですね。




ちなみにM10-Rの使い方としてレンジファインダー撮影に拘ることはなくなりましたね。どうしても難しいアングルは素直にライブビュー使います。
まあ固定モニターだしバッテリーもどんどん消費するしで昨今のミラーレスと同じ感覚にはなりませんがね。




浮見堂からの燃えるような夕焼け。東大寺側の二月堂からも最高の景色だったでしょうね。
どうでも良いですけど珍しくてお土産で買った柿の奈良漬けが中々美味しかった。一般的な瓜の奈良漬けよりほのかに甘くフルーティで食べやすい。手軽な刻みタイプを選んだが今度は丸ごと漬けたものを食べてみたい。
まとめ
銘玉数多のライカM35mmレンズの中でも存在感が薄くエントリー志向の純正レンズだがズマリットの名に恥じない確かな実力は持ち合わせている。
経験不足故にこれがライカらしい写りなのかは断定しかねるが少なくとも上位のズミクロンが欲しくなる衝動は起きませんね。
撮りたいと思うものは大体撮れるしM10-Rで使う35mmは当分このレンズで固定します。またフィルムで使ってみても面白そうですね。
新ズマリットが不人気シリーズだけに流通数も少なめで気になるなら早めに確保しておいても損はないと思います。
以上【LEICA SUMMARIT-M 35mm F2.4 ASPH.】実写レビューでした。
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