ミノルタCLE用の標準レンズ【MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2】の外観レビュー
40mmは第二の標準レンズ
ミラーレス全盛時代に『40mm』のレンズが存在感を増している。標準画角の50mmよりも少し広い視野を写す準標準レンズとも呼ばれている。
フィルム時代はコンパクトカメラの固定レンズとしてよく見られ、一眼レフでは薄型パンケーキレンズが何本かあったが廉価志向のイメージもあり定番化することはなかった。
それから時代は変わり、2018年に発売されたSONY Eマウント用の「Carl Zeiss Batis 2/40」は高級レンズでありながら目新しさもあり発売当初は入荷待ちが続く人気ぶりだった。
それに続くように「SONY FE 40mm F2.5 G」「SIGMA 45mm F2.8 DG DN」や「NIKKOR Z 40mm F2」などミラーレスマウント用に設計された高性能レンズが続々と増え40mmクラスの標準レンズは新たなブームとなっている。
そんなことで今回は1983年に発売されたレンジファインダーカメラ「ミノルタCLE」の標準レンズである【MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2】の外観レビューをします。
※ライツミノルタCL用 M-ROKKOR 40mm F2を追加入手したので2018年のレビューから画像、文章など全面的に更新しました。
マウント | ライカM |
レンズ構成 | 4群6枚 |
絞り枚数 | 10枚 |
最短撮影距離 | 0.8m |
フィルター径 | 40.5mm |
全長×最大径 | 24.5×51mm |
重量 | 105g |
発売時価格 | ¥29,000 |
レンズ外観
SONY α7IIIにマウントアダプター「Cosina VM-E Close Focus Adapter」を介して装着。
毎度言ってるような気がするがα7シリーズはレンジファインダーレンズが本当に良く似合う。
さてこのレンズには3種類の兄弟レンズがある。
1:LEICA SUMMICRON-C 40mm F2
2:MINOLTA M-ROKKOR-QF 40mm F2
3:MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2
1、2は1973年の「ライカCL/ライツミノルタCL」用に開発された標準レンズで、
<設計はライカ、製造は各社>にて行われた。1はドイツ製でフィルター径がライカ独自仕様などの差異はあるが光学性能は2と同等のものとして扱われる。
相場価格は2、3共に日本製で大きな差はなくレンズコンディション次第と言ったところ。どれもMマウント標準レンズとしては比較的安価な部類。
1はやはりライカ ズミクロンの名を持ちドイツ製と言うこともあって最も高価。
CL用の2本はレンジファインダーの距離計連動に“傾斜カム”と呼ばれる独自の方式が採用された。
これによってライカCL/ライツミノルタCL以外のMマウント機ではピント精度にズレが生じることがあり、ライカは動作保証外と案内している。
マウント内側の真鍮色の部分が距離計と連動するカム。
CLE用の平行カムはM型ライカボディと完全互換する。ただし40mmのブライトフレームを持つMマウントボディはごくわずか。
レンズ構成は4群6枚のガウスタイプを踏襲しているがボディのミノルタCLEと同様にライカはノータッチなので“純ロッコールレンズ”となった。
CL用の40mmは生産時期によってレンズ銘板の「M-ROKKOR-QF」のQFがないものがあって少々紛らわしいが、CLE用との相違は「ピントリングレバー形状」「フィルター径表示」の有無などいくつも違いはあるので判別は難しくない。
まぁマウント側のカム形状さえ確認出来れば一発で分かるんですがね。
鏡胴のクオリティはCLE用の方がワンランク上の作りで各部のガタが少なく操作性も滑らかだ。
CL用は正直なところ廉価志向の製品で、前述の傾斜カムもコストを抑える為にシングルヘリコイドを採用した結果の仕様と言える(CLE用は通常のダブルヘリコイド)
上の画像でこのレンズのコンパクトさが伝わるかと思います。パンケーキレンズ並に取り回しが優れるのはもちろんのこと、カメラバッグへの収まりも最高なので軽い気分で撮影に向える。
また前述のカム仕様の違いについてもミラーレスには無関係で問題なく使える。
APS-C機のα6300に装着してもコンパクトで非常にマッチする。
換算60mm F2となり長めの標準レンズとして使えるでしょう。
絞り羽根は「10枚」と多めですが円形絞りではありません。上の画像はF4の形状。
フィルター径は「40.5mm」M-ロッコール3兄弟の「28・40・90mm」は全て40.5mm径で統一されている。
レンズコーティングはミノルタ独自のアクロマチック・コーティングが施されており角度によって緑の反射色が見えます。
CLE/CLのコーティングを見比べると古いタイプのCL用には緑のアクロマチックコートは施されず、アンバー&パープルのライカ系に近い色合いだ。
これはライカ銘のSUMMICRON-Cとのカラーバランス均一性を考慮したものだろう。
最短撮影距離は「0.8m」と長めなのはレンジファインダーレンズの宿命だが、ヘリコイド付きアダプターを使えば最短40cm以下になり標準レンズとしての使い勝手が一変する。
ピントリングはレバー式なので少し慣れが必要かな。絞りリングは中間クリックありでコチコチと軽快な感触がとても心地良い。
マウント側から。F2レンズでも後玉はそれなりに大きい。
専用レンズフードはネジ込み式のラバーフード。折りたたむことでレンズキャップも装着できます。
実用性には全く問題ないものの、見た目は少々チープでいずれラバー劣化の心配もある。そこで…
これを買ってみた。Amazonで売ってる激安メタルフードです。品質には全く期待していなかったが思いのほかマトモで満足。
フードの深さはラバーよりほんの少し深く、フィルターの上から装着してもケラレはない。ちなみにこのフードの先端は52mm径になっており、レンズキャップやフィルターが装着できる。
最後に「M-ROKKOR 28mm F2.8」とのサイズ比較。40mm F2が頭一つ分低く、薄さが際立ちます。
しかし私の撮影スタイルではこの2本を同時に持ち出すことは残念ながら滅多になさそうです笑
まとめ
M-ROKKOR 40mm F2はレジンファインダー用レンズの中でも特にコンパクトで可愛らしい標準レンズです。
肝心の描写傾向については「典型的な4群6枚の標準ダブルガウス型」と言えばオールドレンズをよく使う人はだいだい想像が付くかと思います。
特色である40mmの画角は35mmと50mm兼ねた撮り方も可能で、腕を問われているような気分になる。これは是非とも使いこなしたくなりますね。
以上【MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2】の外観レビューでした。
実写レビューは以下のリンク
【標準】MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2 実写レビュー
MINOLTA M-ROKKOR 40mm F2 実写レビュー2
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