Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMの実写レビュー
高画素ボディの限界を引き出すアポクロマート設計の標準レンズ
ボディ:LEICA M10-R
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正なし
「Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」はこのプライスでアポズミクロンに比肩する描写は反則とさえ言われる超高性能な標準レンズ。
約4000万画素のライカM10-R用に導入したものの、入手直後は解像度チェックみたいな写真ばかり量産して持て余し気味の自覚もあった。
それから何度か持ち出して作例としてレビュー出来そうな枚数は揃ったのでまとめてみました。
開放からピントはどこに置いてもシャープ。
アポクロマート設計なだけあり軸上色収差やカラーフリンジなどは無縁ですね。最新の光学設計の実力を存分に見せつけてくれます。
反面に周辺光量落ちは比較的目立つ部類に見える。これは好みで補正すれば良い。
最短撮影距離0.7mでのクローズアップはこんな感じ。まあレンジファインダーならごく普通です。ちなみにミラーレスマウント版は最短0.45m。
最近はライカが距離計連動範囲外も接写可能のMレンズを出し始めて、コシナも同様に最短0.5m程度のVMレンズが何本もありますから
このアポランターも最短距離を縮めたII型を出す余地はありそうですね。
前後のボケ味にクセはなく特に悪目立ちすることもありません。
絞り羽根の形状は少し特殊な仕様でF2/F2.8/F5.6/F16でのみ完全円形となり良質なボケを得られる工夫がなされている。
とは言えボカしたい場合は開放一択になると思いますがね。
卓越した光学性能以外にも優れた操作性で撮影は快適。
幅広いピントリングは指掛かりが良く、フローティング機構内蔵でも全域スムーズなトルクだ。
クリック感のある絞りリングも小気味よく動き現行のMFレンズらしく抜かりの無いもの。
唯一の欠点はVMマウント版のみレンズフードが別売りなこと。
無限遠のオーバーインフは一切なく距離計も寸分ズレなくピッタリ。
いつもミラーレスでMFレンズ使う際は∞マークから少し手前が真の無限遠であることが多いのでそのクセでやると微ボケとなり、
仮に絞り込んで被写界深度内に入っていてもピントのピークを捉えていないのがよく分かる。
このレンズは意外と中~近距離より遠景の方がピントにシビアな印象。これも慣れ次第でしょうけどね。
まとめ
性能品質からすれば間違いなくバーゲンプライスと言える1本。
高性能過ぎるレンズはあまり語ることが無いのが本音なんですが、解像一辺倒なカリカリ描写だけではない豊かな表現力は持っていますね。
最初に発売されたソニーEマウント版はあまり欲しいと思わなかったが、M10-Rに見合う標準レンズとして頼もしい存在となってくれそうだ。
Mマウント互換なのでフィルムカメラで使えるのも地味に嬉しい。
ちなみにLM-EA9などのAFアダプターを介せばソニーのミラーレスでAF撮影が可能となるが、コシナがアナウンスしている通りレンズ本来の光学性能がスポイルされる。
特に差が出るのは周辺解像でオールドレンズのような写りになる。まあ個人的には想定よりも実用レベルは高そうに見えた。
とは言えその描写性をもってアポランターの実力と言うのはコシナとしては嬉しくないでしょうね。素直に各マウントに最適化されたものを使いましょう。
以上、Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMの実写レビューでした。
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