SIGMA MC-11の使用方法まとめ
SIGMA MC-11と言う製品
SONY EマウントカメラでCanon EFマウントレンズを使用できる
【SIGMA マウントコンバーター MC-11 EF-E】
マウント乗り換え後のレンズ資産に悩むEマウントユーザへシグマが送り出した救済アイテムで、これ一つで全て解決!
・・・と言う訳ではなく、AF性能の差や機能制限などがあり純正レンズ同様とはいかない。
現在私はα7IIIで使用していますが、把握している範囲でベストな使用方法や注意点など雑多にまとめてみました。アップデートなどで機能追加の際は随時更新します。
始めに認識しなければいけないことは、
MC-11 EF-Eは「シグマ製のEFマウントレンズ」を使用するためのアイテム。
シグマが公式に対応発表しているレンズ以外はあくまで“非対応”扱いである。
・・・と言っても、それは建前みたいなもんでユーザーも事情を察した上で使用している状態。この記事でも非対応レンズの使用感がメインです。
私が試した限りではCanon純正EFレンズで全く作動しないレンズは一本もありませんでした(AFが全て快適と言う意味ではない)
またMC-11での使用後にレンズに不具合が出るなどのトラブルは一切起きていません。
シグマはファームウェアの更新で積極的にレンズの動作改善を行っているので常に最新のバージョンに更新しておきましょう。
AF実用レベルはα7第二世代以降
これが最初の落とし穴。
MC-11は全てのEマウントボディに装着可能ですが、
全てのボディ、レンズで高速AFが行える訳ではありません。
非対応レンズを装着した場合は主に
「像面位相差AF」or「コントラストAF」
の2種類のAF動作に分かれます。以下にαシリーズのボディを動作別に分けました。
像面位相差AF
α7II/RII /α7III/RIII/ α7RIV/ α9/α9II
α6100/α6300/α6400/α6500
コントラストAF
α7/7R/7S /α7SII
α6000/α5100
高速AFが可能なのは「像面位相差AF」で作動するボディで
「コントラストAF」のボディは実用レベルにならないと思って下さい。
∞無限遠~最短距離をノロノロ往復してフォーカスを行うので、MFでピント合わせをした方が速いです。
「像面位相差AF」が可能なのは、
「ファストハイブリッドAF対応」かつ「α7IIシリーズ以降」に登場したボディが目安です。さらに簡単に言うと最新が最速。
上記以外のNEXシリーズなど古い機種はコントラストAF動作です(NEX-7で確認)
像面位相差AFボディでAF動作がおかしいなと思ったら、
メニュー画面【AFシステム】から「位相差AF」に設定されているか確認してみましょう(上の画像はα7III、デフォルト設定は位相差AFです)
また非対応レンズでの絞り動作は
設定絞り値がリアルタイムで反映されるEマウントレンズの仕様と違い、一眼レフと同じレリーズの瞬間に絞り込まれる常時開放の自動絞り仕様になります。
事前に撮影結果が把握できるのはミラーレスの強みなので、
カスタムボタンに「絞りプレビュー」を割り当てると被写界深度の確認に便利です。
AFの機能制限
非対応レンズ使用時は多くのAF機能が制限され設定不可になります。以下はα7III装着時の例 ×の項目はグレーアウトして選択できません。
※2018/10/10 「α7III、α7RIII」は本体ソフトウェアアップデート(Ver.2.00)により全てのフォーカスエリアに対応しました。本来はLA-EA3に対してのアップデートですがMC-11にも同様の恩恵があり、さらに快適に使用できるようになった。
フォーカスエリア
ワイド:○
ゾーン:×
中央:○
フレキシブルスポット:○
拡張フレキシブルスポット:×
ロックオンAF:×
フォーカスモード
AF-S:○
AF-A:×
AF-C:○
DMF:×
MF:×
設定するフォーカスエリアはフレキシブルスポットが最も使いやすくメインになるかと思いますが、
フォーカス枠のサイズ「S」や画面周辺のAFはレンズによって著しく性能が落ちることがあります。
AF-C(コンティニュアスAF)の動作は、SONY純正のAマウントレンズを使用するためのマウントアダプター「LA-EA3」使用時とほぼ同等です。
以下、α7III商品ページLA-EA3使用時の一部抜粋
“動画撮影時は「像面位相差AF」に対応していません。AF-CはAFシステムで 「位相差AF」を選択時のみ使用可能ですが、「連続撮影:Lo 」モード以外(Hi+、Hi、Mid)での撮影時、ピントは1コマ目に固定されます”
(引用:“SONYα7III Aマウントレンズ装着時(*)の像面位相差検出AFに対応”)
面白いことにα7IIIでは「瞳AF」「顔検出」は非対応レンズでも一応作動します。しかし上記の引用文の通り高速連写時のピントは動体追従しないので、あまり歩留まりは良くないと思います。
動体撮影でストレスなく使用したい場合は現状、純正レンズ一択です。
手ブレ補正はレンズ側が優先される
レンズ内手ブレ補正付きの非対応EFレンズをMC-11で装着した際は
ボディ内手ブレ補正との併用使用は不可能です。
その際は“レンズ側の手ブレ補正が絶対的に作動”し
ボディ側の手ブレ補正は一切機能しません。設定メニューでも「無効レンズ」扱いで全く設定不可の状態。たとえレンズ側の手ブレ補正スイッチをオフにしても同様です。
α7IIIの優秀なボディ内手ブレ補正を活用したいところだが、これがシグマが選択した最もトラブルの少ない仕様だと思って現状納得しています(何度かのファーム更新後にこの仕様になった)
逆に言えば、レンズ内手ブレ補正がないEFレンズは必然的にボディ内手ブレ補正の効果を得られると言うこと。
それはボディ内手ブレ補正を採用しないEOSボディよりも快適に使用できるレンズがあることを意味する!
「EF24-70mm F2.8L II USM」でも「EF85mm F1.2L II USM」のような弩級レンズも制限なく手ブレ補正の恩恵を得られるのだが、個人的に高性能な割りに安価なレンズとして気に入っているのは、
望遠単焦点のニーニッパこと【EF200mm F2.8L II USM】です。やはりレンズ内手ブレ補正がなく使い辛いせいか、現行製品ながら人気は今ひとつ。
中古相場も安く新品実売価格の半額程度で入手できました。描写性能は流石Lレンズ、α7IIIとの装着バランスもなかなか良好です。
スミマセン。
まだまだ書くことが多く、思ったより長くなりそうなので次回へ続きます。
SONY α7シリーズとSIGMA MC-11の使用方法メモ2
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