RICOH R1sの搭載レンズ「RICOH LENS MC 30mm F3.5 / 24mm F8」の実写レビュー
自称 “チープ・ホロゴン”の描写は如何に
写真は全てRICOH R1sワイドパノラマの「24mm F8」です。
使用ボディはSONY α7III
Adobe LightroomでRAW現像 周辺減光、歪曲、色収差、補正なし
レンズ外観レビューは以下リンク
【改造レンズ】RICOH R1sのパノラマレンズをミラーレスで使う
出ました。コレコレ、この周辺減光こそが最大の特徴。
暗部を持ち上げると四隅にディテールが存在するのでケラレではないようです。
周辺のマゼンタ被りはα7IIIの“裏面照射型CMOSセンサー”でほぼ発生しません。代わりにマゼンタならぬ青緑の「シアン被り」が出る。
光学的な欠点には違いないが、曇り空では案外これがイイ味出してくれるのです。「CONTAX G HologonT*16mm F8」でも裏面照射の場合シアン被りが出るようです。
ちなみに初代α7では強烈なマゼンタ被りか発生します。
各部拡大。中央部は割とマトモ。周辺の流れは当然として中間域辺りから危うい画質ですね。
RICOH R1sのワイドパノラマ24mmはフィルムのオリジナルボディでも「24mm×36mmのフル画角」で使う改造をした場合、描写に影響の出るレンズなのでデジタルでこれだけ写ってくれたら十分です。そもそも素人の改造レンズですからね。
少し気になるのは、初代R1のマイナーチェンジ機であるR1sは、レンズのマルチコート化とだけリコーHPで記載されていますが、周辺描写も改善しているとの不確定情報もあります。私は当時の世評を知らないので何とも言えませんが。
少し撮り始めてすぐに気付いたのは“測光モード”の設定。
メーカーによって名称は違うが「平均評価」や「マルチ」など画面全体の明るさをバランス良く調整する測光モードでは強烈な周辺減光までも明るくしようとするので、逆に中央部が露出オーバーになりがち。普通のレンズだとこんな事にはならん。
そこで測光モードを「中央重点」に変更するとレンズの持ち味を活かしつつ、安定した露出になる。
自転車のハンドルに寄って撮影。F8でも背景は一応ボケる。ピント部も割とシャープで近接撮影は得意なのかも。
RAW現像はしていますが、とにかく目に付くのはやたらと高いコントラスト。
これは盛大な周辺減光の効果でそう見えるだけで、冷静に中央部だけ見れば普通だったりします。
とは言え、その中央部でもコンパクトカメラのレンズとしては高コントラストで優秀。
仄暗い路地裏撮影にはぴったりのレンズかも知れません。トンネル効果バツグン。
街中スナップのような撮り方ではあまり気になりませんが、本来パノラマで隠される部分の歪曲はかなりキツイです。少し波打ってるような感じでLightroomで修正するのも難しそうです。
パノラマを意識して横長のトリミングをしてみました。意外と雰囲気出てるかも。
中央部拡大
手持ちでスローシャッター切りましたが特に作画的効果は起きなかった。
モノクロとの相性も良い。かなりシブイ描写のレンズになりそう。
F8固定なので辺りが暗くなるにつれて手持ちは厳しくなります。
まとめ
結論として、かなりいいものが出来たと思ってます。もちろん改造レンズとしての範疇ではありますが。
非常にコンパクトなので取り回しが良く、24mmで撮る街中スナップが想像以上に楽しい。F8固定も日中では問題にならず絞り設定を気にしなくて良いのもラク。
まぁある程度シチュエーションを選ぶレンズなので、これからの活躍は多くはなさそうですが、たまにはこう言うレンズもイイですね。
以上、RICOH R1s 24mm F8の実写レビューでした。
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