ミノルタMD/SRマウントの望遠単焦点レンズ【MINOLTA ROKKOR-TC 135mm F4】の外観レビュー。
希少な国産トリプレット望遠レンズ
このレンズ、超安いです。
ヤフオクで2千円も出せばカビのない実用十分なものが入手できるでしょう。
てかあまりにも人気がなさ過ぎてちょっと可哀想なくらいですw
まあスペックを見れば魅力がないのも当然で今ではマイナーな135mmは使いこなしが求められる画角、しかも開放値はF4…こんなレンズ誰が欲しがるんだ??と言いたくなりますがね。
だがどうしても無視できない要素が一点のみあります。
それはレンズ構成が“トリプレットタイプ”だと言うこと。
トリプレット…貼り合わせのない3枚のレンズで構成されたシンプルな設計で諸収差を補正しつつ、中央部の解像度とヌケの良い描写が特徴。
そしてオールドレンズファンならばトリプレットの次に出てくるフレーズと言えば
~バブルボケ~Bubble Bokeh~
そう、あのバブルボケです(シャボン玉ボケとも)
同じトリプレット構成の【Meyer Optik Görlitz Trioplan 100mm F2.8】を筆頭に、
輪郭がクッキリとしつつも透明感のある幻想的な玉ボケが近年ブームになってます。
トリプレット構成のレンズは一躍人気で相場価格も上昇傾向ですが(特にTrioplan 100mm F2.8の価格は可愛げの欠片もない)
どうもROKKOR-TC 135mm F4は情報も作例も少なく何故か注目されていない。
もしかすると超絶爆安の“隠れバブルボケレンズ”ではないかと勝手に期待を高めているのです。
また兄弟レンズとも言える「ROKKOR-TC 100mm F4」も存在しますが、流石に小口径過ぎて大きな玉ボケを出すのは難しそうです。
マウント | ミノルタ MD/SR |
レンズ構成 | 3群3枚 |
最短撮影距離 | 1.5m |
絞り枚数 | 12枚 |
フィルター径 | 46mm |
115×57mm※ | 115×57mm |
重量※ | 378g |
※全長、最大径、重量はデータが見つからなかったので実測値です。
レンズ外観チェック
SONY α7IIIにマウントアダプターを介して装着。アダプター分も伸びてやたら細長いです。昨今のレンズでは見られないシルエットでいかにもオールドレンズ感がありますね。
この手の望遠レンズは小型軽量で携帯性に優れることから、当時は登山撮影の望遠レンズとして重宝されたと言います。
国内メーカーではニコンの「Nikkor-T 10.5cm F4」が“マウンテン・ニッコール”の愛称で呼ばれており、このレンズもそれにあやかり“マウンテン・ロッコール”と呼ばれることもあるとか(しかし相場価格は雲泥の差)
にしてもロッコールブランド銘の由来が「六甲山」から来ていることを思うと妙な感慨深さがありますねw
絞り操作は古めかしい「プリセット絞り」仕様です。
絞り操作リングが上下2つあり、上のリングで絞り込む数値まで設定、下のリングで実際に絞り込みを行います。上にはクリックあり、下はクリックなしでフリーに操作できます。
プリセット絞りは一眼レフに完全自動絞りが登場する以前の発展途上の機構で
シャッターを切った後は手動で開放絞りに戻す必要がありますが、
ミラーレス一眼ではEVF/背面液晶の自動輝度調整とリアルタイムで被写界深度を確認できるのがメリットなの常時実絞りで使用しても問題はありません。
絞り羽根の枚数は豪華な「12枚」です。
非常にキレイな円形でスムーズな絞り動作も相まって魅入ってしまいそうです。
この個体は絞り羽根が少し汚れている。
レンズコーティングは見ての通り単層コート。逆光撮影の画質低下に注意。
フィルター径は「46mm」レンジファインダーレンズ並みの小口径です。
最短撮影距離は「1.5m」です。時代相応、過不足なしと言った所でしょうか。
中古品など吟味していると、マウント根元のシルバーのリング部品がブラックものもあるようです。前期、後期などロットの差があるのかも知れません。
マウント部から。電子接点はもちろん自動絞りレバーもない至極シンプルな形状。
唯一の特徴?としてマウント後部にフレアカッターがあります。
鏡胴内部には反射防止塗料が施されており、廉価レンズながらフレア・ゴースト対策の手は抜いていないようです。
どうでもよさそうですがフレアカッター枠内の縦横比はほぼ3:2でした。
このレンズには専用のフードが用意されていますが購入時にフードは付属していませんでした。
何か代用できるものはないかと手持ちのレンズフードを試してみると【CONTAX G SonnarT* 90mm F2.8】用の「メタルフード GC-3」が同じフィルター径でイイ感じに使えそうです。
もちろんケラレはありませんが全長がさらに細長くなります。
まとめ
当時でも廉価品扱いのレンズですが、オールメタル製の鏡胴は現代のプラ製に比べれば段違いに質感良く満足感あります。
あまりにも安く入手できるのですぐに飽きて防湿庫の肥やしになると思いきや、
妙に使いこなしたくなる魅力があるレンズです。
最近は隠れた“国産バブルボケレンズ”を探すことにハマっており、安価で入手できるレンズを何本か買い漁って検証中なんですが、暫定的な結論が出れば記事にまとめたいと思います。
以上【MINOLTA ROKKOR-TC 135mm F4】の外観レビューでした。
【望遠】MINOLTA ROKKOR-TC 135mm F4 実写レビュー
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