ホームメーカー別Zeiss/CONTAX【中望遠】CONTAX Sonnar T*100mm F3.5 MMJ 外観レビュー

【中望遠】CONTAX Sonnar T*100mm F3.5 MMJ 外観レビュー

【CONTAX Carl Zeiss Sonnar T*100mm F3.5 MMJ】の外観レビュー

控えめスペックに脅威の実力を秘めた中望遠ゾナー

今回レンズ外観をレビューするのは【CONTAX Sonnar T*100mm F3.5 MMJ】です。

CONTAXレンズが語られる時でもまぁ話題に挙がらない、日陰者の地味な中望遠ですが実際に手にした者にしか分からない驚きの実力を備えています。

ミラーレスでも抜群のパフォーマンスを見せるが最近ではフィルムでの歩留まりの良さから、デジタルよりも活躍の機会が増えている。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

CONTAXの中望遠と言えば「Planar T*85mm F1.4」があまりにも有名。

良くも悪くもその一本に羨望が集まった結果、他の中望遠が割を食ってしまうことになった。

他に「Sonnar85mm F2.8」「Planar100mm F2」などがある中で、一層地味な「Sonnar 100mm F3.5」は悲しいほど見向きされず1983~91年の間で生産終了。まぁようやく在庫払底したと言うのが実情なのかも。

販売終了後は流通数の少なさからレア玉となり、一時は中古価格が定価以上になったこともあったらしい。

今では比較的入手しやすくなったが、やはりスペックに対して割高なのがネック。数年前までは結構安値でしたが転売目的で相場も吊り上がり流通はダブついているような印象。

マウントコンタックス/ヤシカ
レンズ構成4群5枚
最短撮影距離1.0m
絞り枚数6枚
フィルター径55mm
全長×最大径61.0×61.0mm
重量285g
発売時価格¥44,000(MM)
CONTAX Sonnar T*100mm F3.5
CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

レンズ構成は4群5枚のシンプルなエルノスター型。

設計が容易かつ安定した性能が出せることから、多少の違いはあれど多くのメーカーが85~135mm辺りに採用したレンズタイプだ。

CONTAXでは中望遠ゾナーの「85mm F2.8」「135mm F2.8」「G 90mm F2.8」が同様の4群5枚構成となっている。

また100mm F3.5はAEJ、MMJの日本製のみが存在する。
Zeiss主導設計と言うよりもヤシカ/京セラ、ひいては富岡光学の血が濃いレンズであるのかも知れない。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5
CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

そしてこれがMTF曲線図。中望遠オールドレンズは優秀なものが多く平均値も高いが、これは特に目を見張る高性能っぷり。

開放F3.5からフルスロットルの性能で絞りの役目は周辺光量と被写界深度のコントロールに使う現代レンズとほぼ同じです。色収差もほとんど出ません。

プラナーの絞りで表情を変える描写とは正反対の生真面目さにも日本製っぽさを感じなくもない。

レンズ外観

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

SONY α7IIIに装着。アダプターの延長分も気にならないコンパクトさでまとまりが良く、
重量も「285g」とCONTAXレンズではかなり軽量なので取り回しは抜群だ。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

こちらはフィルム一眼レフのCONTAX Ariaとの組み合わせ。このレンズはAriaをはじめ139クォーツ、167MT、S2などの小型軽量ボディによくマッチする。

大口径レンズのような大きな前玉の迫力こそないが洗練されたフォルムの中に堅実さも感じる。

F値からくるファインダーの暗さは屋外では特に気にならず、ピントの山はとても掴みやすい。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

左:Planar50mm F1.4 右:Sonnar100mm F3.5

標準レンズのプラナー50mm F1.4と並べてみた。

50mmと比べ全長は約1.5倍、幅の広いピントリングは指掛りが良く操作性はすこぶる良好。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

鏡胴の作りで残念なポイントが一部にプラ部品が使用されていること。

プラ部品は絞りリングとその上の被写界深度目盛の部分で、指標文字はシルクプリントになっている。それ以外の箇所は金属製で他のCONTAXレンズと変わらない。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

フィルター径は「55mm」でコンタックスの小型レンズ群と共通サイズ。

絞り羽根は「6枚」の角の緩い6角形。初期のAEタイプは手裏剣状の絞り形状になるかは不明。

逆光耐性もT*コーティングの恩恵でオールドレンズとしてはかなり優秀。無茶な条件以外はフードは不要です。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

最短撮影距離は1m 小型軽量なこともありヘリコイド最大まで繰り出しても重量バランスは変わらない。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

日本製を示すLens made in Japanの文字。これもプリントです。

CONTAX Sonnar T*100mm F3.5

CONTAXレンズ特有の黒いマウント。後玉周りの反射防止処理はとても丁寧。

MMタイプの特徴としてマウント外周のMM認識爪と強度が向上したシルバーのバヨネット金具を備える。

まとめ

大口径に人気が集中するCONTAXレンズの中であえて手を出す意義は低いと言わざるを得ないが、オールドレンズとは思えぬ高性能ぶりは現代の基準から見ても驚きの隠れた銘玉です。

開放F値が暗く、マクロほど寄れないので大きくボカした撮り方は苦手なものの、小型軽量なこともあり中望遠スナップではこの位が堅実で使い勝手が良い。

以上【CONTAX Carl Zeiss Sonnar T*100mm F3.5 MMJ】の外観レビューでした。

このレンズを使ったフィルム作例は以下の記事で紹介しています。

【京都宇治】CONTAX Aria フィルム作例

【モノクロフィルム】CONTAX×NEOPAN 100 ACROS 作例レビュー





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