中望遠~望遠レンズ12本の玉ボケ比較
中望遠はバブルボケの本命
以前比較した標準レンズの玉ボケに続き、
今回玉ボケ比較するのは以下の12本
中望遠好きとは言えこの本数は自分でも呆れる笑 これでも少し間引いたんですがね。
・ELMO PROJECTION LENS 75mm F2.5★
・ZEISS IKON TALON 85mm F2.8 MC★
・CONTAX G Sonnar 90mm F2.8
・OLYMPUS OM ZUIKO Macro 90mm F2
・WILL-WETZLAR MAGINON 100mm F2.8 MC★
・EIKO Optical 100mm F3★
・Canon SUPER-CANOMATIC R 100mm F2
・Canon EF100mm F2.8L MACRO IS USM
・PENTAX Auto-Takumar 105mm F2.8
・NIKON NIKKOR-P.C 105mm F2.5
・TAMRON 135mm F2.5(03B)
・MINOLTA ROKKOR-TC 135mm F4
注目して欲しいのが末尾に★を付けたレンズ。これらはプロジェクター用レンズを改造したものでどれも3群3枚のトリプレット構成です。もはやトリプレットの代名詞となったバブルボケ出現に期待できる。
ちなみにバブルボケの条件としては
・玉ボケの輪郭、エッジがクッキリ出ている
・画面周辺まで口径食や歪みのない丸い玉ボケ
などです。残存収差の副産物で光学的には好ましくないものですが、近年はそれを活かした写真が幻想的だと人気。個人的にはブームのピークは過ぎたかなーと思いますね。
玉ボケ比較
ボディ:SONY α7III
カメラは三脚固定、点光源のLEDライトとの距離は約3m
フォーカス位置は玉ボケの形を重視したのでレンズごとに違います。またヘリコイドアダプターや接写リングを使用しているレンズもあり。
ELMO PROJECTION LENS 75mm F2.5/3群3枚
かつては8ミリカメラや映写機が主力だったELMO。
一発目ながらこのELMO75mmで極上のバブルボケが出た。口径食も少なく、これぞ求めていたバブルボケ!プロジェクターレンズすげぇ。
玉ボケの輪郭が超クッキリ。このバブルっぷりを最初に見ておくと、通常の玉ボケとの違いがハッキリと分かります。
ZEISS IKON TALON 85mm F2.8 MC/3群3枚
名門ZEISS IKON。MADE IN WEST GERMANYの高級プロジェクター(当時は)に付いていたマルチコーティング仕様のレンズです。
これもバブルボケと判定しても良いのでしょうがELMOと比べるとちょっと弱い。
CONTAX G Sonnar 90mm F2.8/4群5枚
ピントリングを最短まで繰り出したが玉ボケは小さめ。口径食は割と強い。それより気になるのは…玉ボケ内に年輪ボケが出たことが意外だった。非球面レンズなどないシンプルな4群5枚エルノスター型でこれが出るとは。
と言ってもSonnar90mmは抜けの良いシャープさがウリなので、この玉ボケによって個人的な評価は変わらない。
OLYMPUS OM ZUIKO Macro 90mm F2/9群9枚
OMシステムが誇る神マクロ。多少玉ボケ内がザラつくものの、特に可もなく不可もなく。まぁ変なクセが無いのは高性能な証。
WILL-WETZLAR MAGINON 100mm F2.8 MC/3群3枚
TALON85mmと同じく、これも旧西ドイツ製プロジェクターレンズ。注目すべきはバブルボケブームの火付け役となった「Meyer-Optik Trioplan」と全く同じスペックであること。eBayで一目惚れして入手。
玉ボケは周辺まで崩れのない整ったバブルボケが出た。
EIKO Optical 100mm F3/3群3枚
日本製であること以外に確定情報がないプロジェクターレンズ。
F3と言う半端なF値だが、これが予想以上にイイ感じのバブルボケ。一つ前のMAGINONが出すバブルボケをさらに上回る。
Canon SUPER-CANOMATIC R 100mm F2/4群6枚
Canon初の一眼レフ キヤノンフレックス時代の大口径中望遠。一眼レフ用中望遠では数少ないガウスタイプで素直なボケ味です。
Canon EF100mm F2.8L MACRO IS USM
/12群15枚
今回の比較で最も新しいAFレンズ。レンズ枚数が多いからか、玉ボケの煌めきは少ない。また非球面は使われていないので年輪ボケは出ません。
あと少し気になったのが、このレンズは近距離になるほど“副絞り羽根”が出てくるので、開放でも玉ボケの一部に絞りの形が表れることがあります。マクロレンズにおける露出倍数や実効F値(T値)の都合なのでこれは仕方ない。
PENTAX Auto-Takumar 105mm F2.8/4群4枚
一時期お気に入りだった中望遠。バブルボケにはあとちょっと届かなく惜しい。
NIKON NIKKOR-P.C 105mm F2.5/3群5枚
Nippon Kougaku時代のL39マウントでズッシリ重いレンズです。構成は古典的なゾナー型。
TAMRON 135mm F2.5(03B)/4群4枚
タムロン アダプトール2時代の望遠単焦点。
MINOLTA ROKKOR-TC 135mm F4/3群3枚
安価な国産トリプレット望遠。このレンズをきっかけにバブルボケレンズを探し始めた。
口径食の少なさは優秀ですが、輪郭は弱め。また周辺の玉ボケが一部欠けてますが、これは接写リング内のフレアカッターによるケラレが原因です。レンズ単体時には問題ありません。
これで12本の比較は終了。予想通りバブルボケに限ってはプロジェクターレンズが秀でているようです。
以下ではその4本を使って被写体を用いた玉ボケ作例を挙げます。
バブルボケ作例
被写体のブリキロボと背景LEDの距離は一緒ですが、カメラ位置は被写体の大きさが同じくらいに写る距離に調整。つまり望遠になるほどカメラを引いています。
やはりELMOのバブルボケが際立っている。次点でEIKOか。
以下で拡大比較。
拡大すればよりELMOがダントツと分かる。点光源に過敏な反応するようです。
しかしこうして比較してみるとトリプレットのプロジェクターレンズだったら何でも良い訳ではなさそう。
まぁ結局のところ、ZEISSとかの高級メーカーはコストが掛けられて性能が良いので収差の副産物であるバブルボケも抑えめになっている。ELMOなんて蛍光灯でもフレア出まくりのほぼノンコートレンズですからね笑
また当たり前だけどプロジェクターレンズは写真用レンズと比べてピント部は甘々です。
まとめ
結論。ELMOレンズヤバイ。この記事を書いてる時点で屋外撮影もしてますが、面白いほど簡単にバブルボケフォトが量産できる。
これに辿り着くまでに結構時間が掛かりましたが、バブルボケレンズを求めるなら一眼用交換レンズよりもプロジェクターレンズを改造する方が近道だった。
とは言えこれはこれで沼があるので、プロジェクターレンズについては後に別記事でまとめる予定です。
以上、中望遠レンズの玉ボケ比較でした。
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