ホームメーカー別LeicaLEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8 Type-II 実写レビュー

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8 Type-II 実写レビュー

【LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8】の実写レビュー

優れた描写性能で撮影領域を選ばない万能マクロ

ボディ:SONY α7III+LM-EA9
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正なし

レンズ外観は以下
【ライカマクロ】LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8 外観レビュー

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

ライカRレンズは絞り開放から全て実用性能であることをアピールしていたが、このマクロエルマリート60mmは特にそれを実感出来る高性能ぶりだ。

APO仕様やフローティング機構などない正攻法の光学設計でこれほど描写性能が高ければRシステム終了時まで設計変更されなかったのも十分納得と言える。

登場は1972年。その当時の標準域マクロの多くがF3.5~F4辺りの開放値で遠景描写は苦手とするような一般用途ではないレンズとしてカテゴライズされていた中で、

明るいF2.8の「オールラウンドに使える標準マクロ」としてラインナップさせたのは後のトレンドを見据えた先進的なレンズに思えますね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

当時のライカによれば無限遠でも一段絞ればOKとのことですが、より粗が見えやすいデジタルの場合はさらに一段絞れば周辺まで文句なしに写る。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

世代やブランド的にライバルとなるマクロレンズはCONTAX/YASHICAの「Makro-Planar T*60mm F2.8」になるのかな。

データシートを見比べると総合的にはライカがリードしているように見えましたが実際かなり拮抗しているんじゃないでしょうかね。

まあ実際に両方持っていながら真面目に撮り比べはしていないのですが、マクロプラナーの方が所謂“カミソリ感”があってボケはやや硬めな印象がある。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

RAW現像で好きに調整してはいますが色のりが浅いと言うか渋く写るカットが結構目に付きましたね。

鮮やかめに調整すれば何か不自然になるので色の階調性はちょっと好みが出るかも知れない。

しかしこれはα7IIIとの組み合わせで感じた暫定的なものでレンズの特性とするには検証不足となります。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

開放絞りF2.8

光が強く反射する被写体でも目立つ軸上色収差は見られない。

開放でこれだけピントが立っているのは素晴らしいですね。それに線は太くならずカリカリし過ぎない。中心の解像はF4くらいがほぼピーク。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

背景にはグルグルボケはないが若干の2線ボケタイプかな。前ボケはクセなく滑らかで一般的な50mmクラスの標準レンズと似た印象。

ちょっと望遠寄りの60mmであることでボケは出しやすいです。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

玉ボケのサンプルがあまりないのだが、このレンズは開放でもわずかに絞り羽根が出ているので中心辺りの真円になる玉ボケでも少し角張ることがある。

ほとんど気にならないでしょうけど夜景とかでは幾分か目立つかも。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

AFアダプターLM-EA9との動作相性はかなり良いですね。

開放から高コントラストで画面の均一性が良いことからAF精度が高く、周辺にAFポイントを置いても比較的スムーズに合焦する。

しかしレンズに備わるピントリングの操作性が心地良いので想定していたよりもAFに頼ることはありませんでしたね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

センサーに悪い強逆光の構図で撮ってみた。絞りはF11くらい。

オールドレンズなのでゴーストが出る時は派手に出ますね。フレアによってシャドー部の締まりも弱くなってます。

ただ前玉が深い位置にある遮光性の高い構造なので意図しない場面でゴースト・フレアが出てしまうことはなかった。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

被写体も構図もあまり考えずに撮ったカットだが、ピントのキレとボケのバランスが不思議と気に入った一枚。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

マクロレンズらしく歪曲は全く気にならない。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8
LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

停車していたタクシーの行灯に開放でピントを合わせたが、周辺に被写体を置いても問題なく安定してますね。

まとめ

標準画角として少し狭い60mmでも使い辛さのない非常に歩留まりの良いレンズです。

ライカRレンズはスペックの被るMレンズと比べてあれこれ言われがちですが、このMACRO-ELMARIT-R60mmは一眼レフ用レンズならではの独自性を確立出来ている。

同じRレンズで比べるなら「SUMMICRON-R 50mm F2」になるでしょうが、フィーリング的な部分も含めるならよりライカらしいのはズミクロンR50mmでしょうかね。

マクロエルマリートR60mmは絞りや撮影距離に関係なく高性能な優等生なので、試行錯誤するような撮り方はほとんどしないんですよね。もちろんそれはスゴイこと。

ズミクロンRの描写も安定的ですが意外と個性のある写りになることがあり、使いこなしたくなるような魅力がある。また抜けの良さも優れているように感じますね。あとやっぱりズミクロンのブランド力は強い笑

コンタックスのマクロプラナー60mmを始め、他に撮り比べてみたいオールド標準マクロが何本かあるので撮影環境が整えばレビューとしてまとめてみたいと思っています。

以上【LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8】の実写レビューでした。





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