ホームカメラレンズ標準【ライカマクロ】LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8 外観レビュー

【ライカマクロ】LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8 外観レビュー

ライカRの標準マクロレンズ【LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8】の外観レビュー

実用性に優れたライカRの標準マクロレンズ

今回のレンズレビューはライカRマウントの標準マクロレンズ【LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8】です。

発売は1972年。途中で鏡胴デザインが変更されType-IとType-IIが存在します。入手したのはType-IIの3カム。

完成度の高いマクロレンズで光学系はそのままライカRシステム終了時まで現行品だったロングセラーレンズです。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

外観は見ての通り実用レンズとして使われていた個体。入手時は薄汚れてましたけど清掃したら小綺麗になった。

シリアルナンバーは【327XXX】で製造から40年は経過しているはず。幸いにも光学系は拭きキズ程度で実用オールドレンズとしてこれからも活躍できる良好なコンディションだ。

マウントライカR
レンズ構成5群7枚
絞り枚数6枚
最短撮影距離0.27m
最大撮影倍率0.5倍
フィルター径55mm
全長×最大径62.3×70mm
重量390g
コード番号11212

ちなみに1978年カタログのライカR標準域レンズの価格帯は

◆SUMMICRON-R 50mm F2:¥80,000
◆SUMMILUX-R 50mm F1.4:¥250,000
◆MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8:¥270,000

マクロエルマリートが最も高価でズミルックスさえ超える価格設定は中々強気である。合わせて相対的にズミクロンがえらく安価に見えますね…

高価になった理由は製造コストによる実直なものかマーケティング戦略なのか分からないが、ライカにとっては価格に見合う特別なレンズとしてラインナップしていたのは確かである。

では現在の相場はと言うと…ちょっと気の毒にさえ感じるほどリーズナブル。

ザックリと見れば玉数の多いズミクロンR50mmと大きく変わらず、安い時は本当に安い。

ライカRのマクロは「APO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8」が超高性能でそちらに人気が集中しているようですね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

レンズ構成は5群6枚 クセノターの変形タイプ、またはそれも含めて変形ガウスタイプとか言われています。フォーカスはオーソドックスな全群繰り出し式。

マクロレンズらしく近接性能を重視した設計であるが、一段絞れば無限遠でも完全な性能を発揮するともライカは答えている。

現にカタログの紹介文などでも撮影距離を選ばない万能レンズだと強くアピールしていた。特に寄れないM型ライカと比べるとそれもう便利でしょうね。

前玉はレンズ先端から奥まった位置にあり十分な遮光効果があるのでフードは必要ありません(Type-Iには専用フードあり)

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

ズミクロンR50mm F2(ROM)と並べてみると頭一つ分の全長差がある。

重量も「250g」「390g」と手に取って分かるほど違いはあるものの、

大きく重くなりがちなライカRレンズとしては取り回しやすいサイズに作られている。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

絞り枚数は「6枚」角の緩い6角形で上画像はF5.6の絞り形状。絞りリングには半段クリックあり。

ちなみに開放時でも絞り羽根がごくわずかに顔を出すがこれは仕様らしいです。

レンズコーティングはこの時代のライカでよく見るパープル/マゼンタとアンバー系の組み合わせ。

フィルターは「E55」で一般的な55mmフィルターが使用可能。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

ピントリングの距離指標をよく見るとfeetとmの近くに小さな「15」の数字が刻まれている。

私は恥ずかしながら最近知ったのですが、これは実焦点距離の補正値を示しています。

60mmにこの数値を足して実焦点距離は「61.5mm」となる。全てのライカレンズに刻印されてはおらず、公差が大きくなるのか50mmより望遠に割と見かける。

同型レンズでもロットにより刻印数字が異なる場合もあるので安易なニコイチ修理をすると設計通りの光学性能は出ないと言う訳ですね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

製造国はドイツ製。このレンズにライツカナダ製は存在しないはずです。

ちなみに上の2本並んだマイナスネジは内部であるパーツを固定しており、ピントリングの無限遠と最短距離の両端でカチンと正確に止めるための重要な箇所。

もしネジが経年で緩み内部でパーツが脱落すればまともに使用出来ず即修理となるので、中古入手時には念のため緩んでいないか確認した方が良いかと思います。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

マウント側を見ると3カム仕様だと判別できる。最も数多くのRボディに対応出来るカムタイプだ。

様々なメーカーのオールドレンズを使っているとマウント装着時の滑らかさと頑強さはRマウントがかなり頼もしい印象がありますね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

フィルム一眼レフの『LEICA R5』に装着。流石に文句なしのカッコよさでバランスも素晴らしい。

Rボディはとにかく電子部品の故障が難儀で20年位前のカメラ誌でも既に言われてますね。このR5は格安ジャンクだったのですが一応動いてます。

買うなら機械式のR6 / R6.2がベストなんでしょうけどダントツ人気で高いし、正直フィルム入れて撮影するか分からないのでR5でも所有感は十分なんですよね。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

マクロレンズらしくピントリングの回転角は近距離側に大きく振っており、ヘリコイドの繰り出し量も相応にある。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

とは言え1:2のハーフマクロなのでそこまでニョキニョキと伸びたシルエットにはならない。

フォーカシングはRレンズ特有のやや重たいトルクはあるが、遊びやガタはない確実な操作性で好感触。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

こっちはミラーレスのSONY α7IIIとAFアダプターLM-EA9

ライカMの変換アダプターを挟んだ状態でLM-EA9の推奨耐荷重500gには何とか収まる。保護フィルターを付ければ少しオーバー。

まあ近接時のピント移動量はLM-EA9の駆動範囲でとてもカバー出来るものではないのでAFはあくまで補助。

LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8

これはオマケで付いてきた純正の等倍マクロアダプター。しかしType-I時代の古い2カム用で対応ボディは限られる。

しかし私はこのレンズで等倍撮影しようとは考えてませんし、ライカ純正アクセサリーが付いてくるだけありがたいものです。

まとめ

MADE IN GERMANYの標準マクロが欲しければこれがベストなんじゃないかと思いますね。

キズのない美品や最終のROMタイプだとそこそこ値が付きますが、それでも現行時と比べればメチャクチャ安い。

肝心の描写性能は少し試し撮りしただけでもかなり高性能であると実感出来る。遠景画質も全く問題なく欠点らしいものはない。

ボケ味なども含めた作例は後の実写レビューにて載せたいと思います。

以上【LEICA MACRO-ELMARIT-R 60mm F2.8】の外観レビューでした。


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