Canon FLマウントの標準単焦点レンズ【Canon FL 50mm F1.4 I】の外観、実写レビューです。
このレンズは中古ボディとのセットでよく出ています。F1.8やF1.4 II型も多いですね。
オクとかなら1000~3000円以内で入手できるかと。
だたリサイクルショップやカメラに詳しくない人が出品していることが多いので、詳細に商品状態を述べていることは少ない。玉数は多いので焦らず安くて良い状態の物が出るまで待った方が良いと思います。
私が入手したものはCanon FTQLとセット。外観に多少の使用感あり、光学はかなり良いものでした。
このレンズに関してはそれほど多く語ることもないので外観と実写の同時レビューです。
FL 50mm F1.4 I 外観
マウントアダプターを介してSONY α7IIIに装着。
比較的小型軽量で扱いやすいです。
デザインの親和性も良く、絞りリングが前玉側に配置されているのが面白くシルバーカラーなのも高ポイントですね。半段絞りのクリックはありません。
ピントリングはちと細めで使い続けていると指先が疲れやすい。
しかし最短撮影距離0.6mはやっぱり不便だ・・・FL標準レンズはみな最短0.6mで一般的な0.45mになるのはFD時代からです。
純正レンズフードは持っていないので、58mm径の汎用メタルフードで代用してます。
左:FL50mm F1.4 右:FL58mm F1.2
ちなみにCanon FLレンズは後のFDレンズと互換マウントですが、
一部のレンズはマウント後部に盛り上がった段差があり、これが一般的なマウントアダプターでは絞りレバーを押えるピンが干渉して装着不可能になる。
FL50mm F1.4は後部がフラットなので装着可能。上の画像では右のFL58mm F1.2の後玉周囲に段差が出ているのが分かると思います。
mukカメラサービスのポーランド製アダプター FD-NEX Pと言う製品は工夫された作りで問題なく装着できるそうだが価格がお高め。
もっと気軽に使う方法はないのか?と思う方にちょっと裏技。
一般的なFD用アダプターの絞り押えピンはネジ式で固定されているので、ドライバーで取り外せば干渉がなくなりFLレンズが装着できます。部品も一個だけなので簡単に元に戻せます。
ただネジ穴から光漏れがある心配があるので同径の短いネジかアダプターの「LOCK⇔OPEN」のリングを回してネジ穴を隠すなど対策の必要があります。
また絞りは完全にプリセット絞り仕様になるので、絞りの操作性は劣ります。
いきなりお高いアダプターを購入する前にこの方法でレンズの描写を確認してから検討しても良いかと思います。
FL50mm F1.4 I 作例
ボディ:SONY α7III
Adobe lightroomでRAW現像 レンズ補正なし
晴天の真昼、開放絞りで撮ったのでいきなり最高シャッター速度1/8000秒です。
これぞオールドレンズを使う楽しみ、虹のゴーストが出ました!
肉眼で見えないものが写るのは時には邪魔だが、時に面白い場合もある。
絞り開放の割には周辺減光は意外と気になりませんね。
これも開放絞り。
解像しているのは本当に中心部のみですが解像度はなかなか良さげ。
前の玉ボケ検証でPlanar50mmと比較した通り、6群7枚の改良型と比べて少し硬くザワザワしたボケ味になります。
時代、メーカー問わず数多ある50mm F1.4の中であえてこのレンズを選ぶ理由を挙げるなら、こう言う部分を活かしたい場合でしょうかね。
F11で遠景撮影
撮ったその場のプレビューを見て、おぉ~これは!と感心するくらいの
画面隅まで文句なし高解像描写です。
Planar50mmや後のFD50mm F1.4などよりも絞りによる描写の変化が大きいと思います。
絞り開放で逆光撮影。α7IIIのセンサー性能のおかげかトーンの破綻もないです。
しかし日中に開放撮影したいのならNDフィルターが必要になりますね。
今回グルグルボケも期待していろいろ試してみましたが、このレンズはさほど大きなグルグルは発生しないようです。
ちなみに【FL 50mm F1.8 I】は結構なグルグルボケが出るらしいです。しかしマウント後部の干渉があります。F1.8 II型は無改造で装着可能ですが目立ったグルグルボケは発生しません。
やっぱり後ボケはザワザワ、二線ボケもあります。でもこれがレンズの味。
PLフィルターでも使ったかのような空の濃い青。
α7IIIの発売前後に少し話題になった「特定の条件で縞条のスジ」が発生する問題。
今回撮影した写真の中に1枚だけありました。
下記のような巷で言われていたのと同じような条件で発生。
・大口径レンズの開放絞り
・強い逆光撮影
・超高速シャッター
ちなみにこの時は電子先幕シャッター“入”です。
主な発生個所は画面左上、太陽の近くです。
問題になっていた参考画像ではもっとハッキリ写っていたのだが、このレンズでは逆光耐性と解像力の低さのせいか縞スジもモヤっとした写りになってますw
Lightroomの「スポット修正⇒スポットを可視化」でエッジを強調すると良く分かりますね。これはかなり明瞭化しているので通常の写真ではパッと見で気付きません。
この縞スジは絞るとか少し角度を変えるなどで解消されるらしいので、
まぁ正直あまりショックでもなく今後も特に気にせず使い続けます。
歩道橋の上から。絞った時の均一な解像度の高さは流石ダブルガウス単焦点です。
まとめ
このレンズはオススメですか?と聞かれても、
う~ん、50mm F1.4なら他に選択肢がいくらでも…と答えるでしょうねぇ。私もこれから何回使うか分かりません。
既にFDレンズ用のマウントアダプターを所有していて、
作例に上げたゴーストやボケ味のクセが気になるなら一度試してみてもイイかと思います。ホント安いしね。
以上【SONY α7III×Canon FL 50mm F1.4 I】のレビューでした。
コメントを残す