ヤシカの標準マクロレンズ【YASHICA ML MACRO 55mm F2.8】の外観レビュー
ヤシカ・富岡光学が誇る高性能マクロレンズ
今回のレビューはC/Yマウントの標準マクロレンズである【YASHICA ML MACRO 55mm F2.8】です。
【ヤシカMLレンズ】と言えば「21mm F3.5」「24mm F2.8」「35mm F2.8」などの広角単焦点がCONTAX Distagonに比肩する銘玉として高く評価されている。
そしてそれらのレンズを語るに忘れてはならないのが“富岡光学”の存在だ。
優れた光学技術を持ちながらも表に殆ど名を出さないOEMメーカーからヤシカの傘下に入り、その後CONTAXの日本製レンズ製造を任されるに至った富岡光学はオールドレンズ界隈でも高いネームバリューを持つ。
この「MLマクロ 55mm F2.8」も存在感こそ薄いものの、富岡光学の描写力を体験できる優秀なオールドレンズの一本です。
ヤシカMLレンズ全体の傾向として流通数は決して多くはないものの、相場は特に高騰しておらず拍子抜けするくらい安価に入手出来た。その上、状態は非常に良い個体で言うことなし。
ちなみにヤシカのマクロでは「MACRO YASHINON TOMIOKA 60mm F2.8/M42」がトミオカ銘付きのいわゆるダブルネームで最も高価。
マウント | コンタックス/ヤシカ |
レンズ構成 | 4群6枚 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.5倍 |
絞り枚数 | 6枚 |
フィルター径 | 52mm |
全長×最大径 | 61.5mm×56.5mm |
重量 | 305g |
発売時価格 | ¥38,000 |
レンズ構成は4群6枚で典型的なダブルガウス型と思いきや、なかなか珍しい構成です。
調べた限りこれは前群はダブルガウス、後群はオルソメターを組み合わせた近接性能重視の構成で、国産レンズでは複写用途の引き伸ばしレンズ「EL-NIKKOR 50mm F2.8/1956年」が初出だと思われる。
一眼レフの交換レンズに採用されることは稀ではあるが、
「PENTAX-A MACRO 50mm F2.8」
「Canon FD MACRO 50mm F3.5 」
「YASHICA ML MACRO100mm F3.5」
などがほぼ同様の構成のようだ。
こちらは同マウントでライバルと言うべき「CONTAX Makro-Planar T*60mm F2.8」の構成図。
一目で分かる紛れもなくプラナーなダブルガウス型。
レンズ外観
SONY α7IIIに装着。
マウントアダプターからレンズ先端まで太さはほとんど変わらずバランスは良い。
マクロレンズらしくヘリコイドを回すほどにどんどん伸びて行く。これが最大繰り出し位置。
ヘリコイドの感触が非常に快適なので回転角が大きくてもストレスは全くない。
レンズ単体での撮影倍率は0.5倍のハーフマクロでオプションの等倍リングも用意されていた。
ミラーレスで使用する場合は中華製のヘリコイドアダプターを使えば無限遠から等倍以上まで撮影可能となり利便性が更に向上する。
金属製の鏡胴は往年のMFレンズらしい上質な作り。CONTAXボディと組み合わせても違和感はなく貫禄負けすることもはない。
絞りリングは指標通りの一段ずつのクリック。
絞り羽根は「6枚」で上はF5.6の絞り形状。
レンズはマルチコート仕様で前玉の反射色からも確認出来る。
前玉は奥まった位置にあるので遮光効果は高くレンズフードは不要。
マウント側は極々シンプルなもの。
スペックは少々違うが同じ標準マクロである「OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5 」とサイズ比較してみた。
小型化が得意なオリンパスは同時期の標準マクロの中でも最小サイズ。それでいてフローティング機構も備えるからスゴイ。
最短距離までヘリコイドを繰り出した状態。
どちらも操作性は文句なく快適。
全体のシルエットはヤシカMLの方が好みかな。
最後はネイティブマウントであるCONTAX Ariaに装着。
鏡胴の指標文字がやや賑やかではあるが良い写りが期待出来そうな印象。光学ファインダーでのピントも掴みやすく小型軽量のAriaとの相性は良い。
まとめ
既に実写レビューで書いていますが、個人的にはヤシコン・マクロプラナー60mmの代用として十分に満足出来る高性能標準マクロです。
ヤシカMLレンズはCONTAXレンズと比べて相対的に安価で性能も大きく見劣りする部分もない穴場なレンズ群ですね。
以上【YASHICA ML MACRO 55mm F2.8】の外観レビューでした。
実写レビューは以下
【標準マクロ】YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 実写レビュー
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