コシナVMマウントの超広角レンズ【Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P】のレビュー
ミラーレスでも描写良好な対称型の超広角レンズ
今回のレンズレビューはコシナVMマウントの【Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P】です。
このレンズはフィルムレンジファインダーのZEISS IKON ZM用として導入し、同じ焦点距離の「AVENON SUPER WIDE 21mm F2.8」と入れ替える予定であったが
AVENON21mmが思いのほかフィルムでの写りが良くて売却が惜しくなりトレードはとりあえず保留。とてもコンパクトなレンズなので1本あっても邪魔にならないだろうと自分を納得させる笑
実写レビューはSONY α7IIIで撮ってみたがAVENONとは比較にならないほどまともな写りでミラーレスでも活躍出来そうだ。
コシナ製品ページ:Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P
このレンズは発売が2007年と現行フォクトレンダーレンズの中では古参の存在。
さらに光学系は2001年に発売された先代のL39マウント版(VLマウント)を引き継いでいるのでおよそ20年以上の歴史がある。
既に後継レンズと言っても良い「COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5 Aspherical」が登場しているのでいつ生産終了になってもおかしくない状況かも。
少し前に「COLOR-SKOPAR 28mm F3.5(L39)」もイイなと思ってたのですがとっくの昔に生産終了で今は結構高騰しちゃってますね。
ZEISS IKON ZMに装着。さすがコシナ製品同士なだけあって素晴らしくマッチする。これはベッサR系に付けるよりも洗練されているのでは…
21mm用の外付けファインダーは「FUJIFILM VF-X21」を使用。これもコシナOEM製品と思われるのでブランドがバラバラでも作られた場所は皆同じなのでしょうかね。
レンズ先端にはネジ込み式の丸形フードがありこの状態が正装と言っても良い。別売で角型フードのLH-1(生産終了)もあったがサイズはそれなりに大きい。
フィルター径は「39mm」であまり馴染みのないサイズ。
SONY α7IIIに装着 アダプターを介してもコンパクトさは健在だ。シックなデザインはミラーレスとの親和性も高い。
最短撮影距離は「0.5m」でレンジファインダー機は距離計の連動範囲を超えた近接撮影が可能となり、
さらにミラーレスではヘリコイド付きアダプターを使えば最短0.2m以下の超広角マクロとしても運用出来る。
Eマウント用に変換した状態での後玉の突出具合はこんな感じ。
バックフォーカスの短い対称型設計でも後玉や周囲のレンズガードはマウント面から飛び出ておらずボディ側と干渉の心配はありません。
実写作例
ボディ:SONY α7III
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正は歪曲のみ適用
このレンズは主にフィルムレンジファインダー用に作られた対称型設計で、ミラーレスで使用する場合は機種によって画面周辺にマゼンタ被りが発生します。
使うなら裏面照射型センサーのボディを選ぶこと。それでマゼンタ被りはスッキリ解消される。
周辺画質もデジタル用でないことを勘定すれば実用十分なパフォーマンスです。
対称型設計の持ち味と言える大きな周辺光量落ちはコントラストを高く見せる効果がある。
デジタルの歪曲補正は必須とは思わないがLightroomのレンズプロファイルを適用してみると想像以上に変わったので今回は適用してみました。
RAW現像時に色調や彩度は調整していますが素の描写性は中々渋い発色です。
開放値がF4に抑えられているからか中央付近のシャープさは開放から全開と言っても良い。
周辺部拡大
拡大して分かる程度のわずかな像の流れがあり、これは絞りこんでも完全に解消されないが個人的には許容出来るレベル。倍率色収差は全くと言って良いほど出ない。
またセンサー前のカバーガラス厚がソニー機より薄いニコンZやライカMなどは周辺画質がこれより改善されるかと思います。とは言え100%の性能を出したいならやはりフィルムでの撮影になりますね。
夕暮れ時の太陽を中心に入れてみた
逆光耐性についてはフレアは良く抑えられコントラストは維持されているが、画面中央に強い光源が入るとリング状のゴーストが発生するようだ。ちなみに今回はレンズフィルターを装着していません。
個人的にこのゴーストにネガティブな印象はなく演出効果の一つとして活かしたい。
三脚を使って30秒露光
F11位まで絞り込んだことで点光源に光芒も出ている。
絞り羽根は偶数枚の10枚でそのまま10本の光芒が伸びる(奇数枚は2倍の本数になる)
個人的に光芒の本数は8本か10本辺りがクドくなくて使いやすいですね。
まとめ
もしCOLOR-SKOPAR 21mmをミラーレスでのみ使うならEマウント設計の「21mm F3.5 Aspherical」が用意されているし、
Mマウントとミラーレスで共有しつつ現代的性能を求めるなら「ビンテージライン版」もあるなど選択肢は多い。
ミラーレス限定で使用するのはあまりオススメしないが小慣れた価格は魅力で、随一のコンパクトさもまだまだ優位性があるだろう。
次はフィルムのZEISS IKON ZMで使うことになるでしょうね。
以上【Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P】のレビューでした。
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