中国製フィルム「上海申光400」と「AVENON SUPER WIDE L 21mm F2.8」の実写レビュー
新参の中国製ネガフィルムが気になる
今回はL39マウントのAVENON 21mmのフィルム実写レビューですが
それと同時に初使用のマイナーなフィルムも使ってみました。
『上海申光400 / SHANGHAI LIGHT』と言う現行の中国製ネガフィルムで、国内のフィルム取扱店でちらほらと見かけるようになり前々から気になっていた。
購入先はカメラのナニワから。
【ISO400 / 27枚撮り】で『¥1,180』のお値段は私が普段使用するネガと比べるとお高いです笑
現像プロセスは一般的な「C-41」なのでどこの現像店でも受け付けてくれると思います。
このレトロデザインのパッケージも個性的で興味を惹かれた。
マイナーフィルムに見られるサブカル系デザインと言うより懐かしい昭和の大衆フィルムのような雰囲気だ。
パトローネにはDXコードのマークがありますがこれはただのプリント。
DXコード対応のカメラでは認識しません。原則的に手動でISO設定可能なカメラで使うフィルムです。
憶測ですがカットしたアルミテープでも貼れば認識させることが可能かも知れない。まぁその手間が面倒なんですが。
フィルム実写作例
ボディ:ZEISS IKON ZM
レンズ:AVENON SUPER WIDE L 21mm F2.8
レンズ外観レビューは以下
【超広角】AVENON SUPER WIDE L 21mm F2.8 外観レビュー
Nikon ES-2でデジタイズ後、Lightroom+Negative Lab Proで書き出し。
撮影スポットは神戸元町界隈を撮り歩いてみました。
はじめに今回は想定外の事態発生。何とZEISS IKON ZMで光漏れが出てしまった。画面左側に縦方向へ光線が出ています。
2005年発売のZEISS IKON ZMはフィルムカメラとしてはかなり新しい機種。まさかの事態で結構ショックだったのですが、
落ち着いて原因を探るとこれは裏蓋のフィルム確認窓からの光漏れで間違いなさそうだ。
シャッターは縦走行の金属幕なので縦方向に光漏れは出ないはず。また純正のボディケースも装着していたので裏蓋上下溝やヒンジ部分でもない(このボディケースは確認窓の部分をくり抜いている作り)
改めてフィルム確認窓のモルトを見ると少し痩せていて頼りない感じがした。貼り替えるだけで解消するにしても汎用モルトでは厚みが足らず、カットしづらい形状なのでちょっと困りものです。
さてボディの愚痴はここまでにして本来のレビューに進みます笑
※追記:光漏れの原因はフィルム側に問題ありでほぼ確定。他の方がこのフィルムで撮った写真にも似た光漏れがあった。パトローネサイズがわずかに小さく隙間から感光してしまったようだ。とは言え原因が判明した頃にはこのフィルム既に流通してませんね。
アベノン21mmはフルサイズミラーレスだと許容範囲外の周辺画質の悪さがあり良い印象はなかったが、
本来の光学性能を発揮するフィルムで撮ってみると評価は一転しましたね。
開放から中央はシャープで2~3段絞れば周辺まで良好に解像します。周辺光量落ちは多少あるものの個人的にはむしろ歓迎。
レンジファインダーで超広角の21mmを使う際はBessa R4を除けば基本的に外付けファインダーを装着して構図を決めることになる(私は富士フイルムのVF-X21を使用)
日中のスナップならある程度絞り込んで目測で撮るのがセオリーと言えるが、やはり開放でピントを決めたいシーンもある。
上の写真はZEISS IKONの距離計でカラーコーンにピントを合わせてから外付けファインダーで構図を確認して撮ってみた。
撮影テンポは悪くなるが狙ったポイントへピントは決まった。しかし超広角なので背景は大してボケなかったね。
歪曲は若干のタル型が見られるもののほとんど気にならないと思います。
甲冑の細かなディテールもしっかり描写出来ています。
上海申光400の描写については特にヘンな部分はなく“普通に撮れる”と言った印象。コントラストや彩度は高め 粒子の粗さは目立ちません。
このフィルムについて軽く調べてみると中国製と言っても中身はKodakの使い捨てカメラ用フィルムで、それを別ラベルにしているだけ言う情報が複数あったが妥当な推測だと思いますね。
個人的にはそれでガッカリと言うこともないですが、それなら最初からKodakフィルムを使うでしょうね笑
この横断歩道を渡れば「カメラのナニワ神戸元町店」があるのですが(左上にちょっとだけ写ってます)立ち寄るのを忘れてました。
まだ先のアーケード内にある「カメラのカツミ堂」にはお邪魔しましたよ。フィルム時代のアクセサリーに掘り出し物発見。
雲の隙間から見える薄明光線がキレイなシーンでしたが、ここは肉眼で見た光景が勝ってますね。
あとレンジファインダーや外付けファインダーでどうしても発生する「パララックス / 視差」はパースの強い超広角だと影響が目立ちやすいですね。
まぁそこまで真剣な撮影でもないのでそれも含めて楽しむ気持ちですが。
薄雲からの逆光でほんの小さなゴーストが出ているが想像より抑えられている。
もしかするとミラーレス使用時だと逆光耐性も悪化しているかも知れない。
ISO400フィルムならこれ位の明るさはまだ大丈夫。
あと2枚ほど撮れるかなと思っていたら27枚ピッタリで終了。1~2枚は余分に撮れる24枚撮りよりも何かケチな印象を抱くのは貧乏性のせいか笑
まとめ
AVENON 21mm F2.8は一度フィルムで撮ってから手放そうかなと考えていたものの想像以上に良く写る超広角で愛着が湧いてきた。
ただ、このレンズと入れ替えるつもりでフォクトレンダーの「COLOR-SKOPAR 21mm F4 P」を購入済みなんですがね笑 じっくり考えます。
上海申光400は好印象な描写のネガフィルムですがコスパは決して良くはないかな。私はポピュラーなFUJICOLORやKodakで十分と言う感想です。まぁ一度試してみる価値はあると思いますよ。
光漏れが起きたツァイスイコンZMは応急処置としてフィルム確認窓にパーマセルテープ貼ってもう一本撮影してみます。
もしそれで光漏れが出たらコシナへ修理依頼となるでしょうね…フィルム趣味に掛かる費用がどんどん増えそうな…
以上「上海申光400」と「AVENON SUPER WIDE L 21mm F2.8」の実写レビューでした。
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