ローライのフィルムコンパクトカメラ【Rollei QZ35 W】 の実写レビュー
Rollei超高級機の実力は如何に
使用フィルム:FUJICOLOR 業務用100
Nikon ES-2でデジタイズ後、Lightroom+Negative Lab Proで書き出し。
カメラ外観のレビューは以下
【Rollei QZ35W 外観レビュー】
1/60 F4.5
今回のRollei QZ35Wのレビューは操作性についての愚痴が多くなります笑
例えば、露出補正の変更には最低3ヶ所のボタンを押さなければならないことをはじめ、各所に日本メーカーの高級コンパクトと比べて煮詰めが足りない部分がどうしても目立つ。
まぁ97年発売で高級コンパクト成熟前と言うのもありますが定価30万近い超高級カメラなんだから、もうちょっと頑張って欲しかったね。
1/60 F5.6
特に気になるのはAEのクセでISO100フィルムだと常にシャッター速度への意識が必要で少々使い辛い。リバーサルだともっと神経質になるんじゃないかな。
このカメラの測光方式は「多分割測光」で“無難に失敗なく”撮れるはずなのだが、どうも他のカメラと比べてみても一段前後オーバー露出になる傾向がある。
感覚的には「スポット測光」とほとんど同じで少し構図を変えるとかなり敏感に露出が変動する。
最初は露出計が劣化しているのかと思ったが、海外のレビューで似たような事を言及していたのでやっぱり仕様なのだろうか。今は露出補正でカバーしている。
可能であれば定番の「中央重点平均測光」との切り替え機能を搭載して欲しかったね。
1/250 F11
今回の作例はボディ内の「データメモリー機能」を活用してシャッター速度と絞り値も載せています。
この機能はカメラ本体内に最新のフィルム3本分の「シャッター速度・絞り値・露出補正値」が自動記録されモード呼び出しで上部液晶に情報表示が出来る。
1/1000 F2.8
これにより現場で逐一メモを取る必要もなく、撮影後にゆっくりアウトプットが可能な便利な機能だ。
ただ、ズームレンズだからこそ欲しい焦点距離情報を省略する点は詰めの甘さを感じる。距離エンコーダー入っているはずなのだから可能であったはず。
1/250 F11
1/250 F5.6
これはテレ端開放、最短撮影距離0.7mの最もボケが大きくなる条件で撮影。
と言っても60mm F5.6なんで一眼レフのキットズームと同じようなものですから、積極的にボカしたくなる気にはならない。
それより注目したいのは、開放から何ら心配なく使える描写力の高さには相当な実力を感じる。
1/250 F16
強逆光。ゴーストと若干のフレアが出ますが、まぁフードもなしでコレなら全然イイんじゃないでしょうか。
1/125 F13
1/60 F4.5
ここからはフィルム2本目の奈良編。
1/250 F8
AFはシャッター半押しからの反応がモッサリした感じで、サっと撮るにはテンポが悪い。
精度については合焦マークが出ればピンズレ(中抜け)を起こすことはほぼ無いが、シーンによってはなかなか合焦マークが出ずイラっとすることもままあった。フォーカスエイド付きのMFも可能ではあるものの、最短と無限遠以外は使い辛い感触。
AF性能をあえて比較するならCONTAX G1並でしょうかね。
1/60 F3.5
1/60 F13
残りは鹿の写真。
1/125 F6.7
1/60 F8
奈良盆地を背にする若草山の鹿
1/60 F4
1/60 F4.5
まとめ
Rollei QZ35Wは超高級機とは言え所詮はコンパクトカメラの範疇と言うのが正直な感想。
一眼レフ並みの操作性は望めず多彩なスペックを活かすシーンは限られる。
それでもデザイン、レンズ、ビルドクォリティにはふんだんにコストを掛けたカメラですから撮影モチベーションは上がる訳です笑
たった数回撮影した程度ではこのカメラの実力は当然見えていない実感もありますし、一度はリバーサルフィルムで撮ってみるべきか?とも思ってはいますがイマイチ自信がなく気が重い…
まぁなんだかんだで使う度に愛着が増しそうなカメラですね。後はあっけなく故障しないことを祈りながら使い続けます。
以上【Rollei QZ35 W】のフィルム実写レビューでした。
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