旧コンタックスマウント【Contax Sonnar 50mm F1.5】のデジタル実写レビュー
戦後イチゴゾナーをAFアダプターでサクサク撮影
ボディ:SONY α7III + TECHART LM-EA9
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正なし
レンズ外観レビューは以下
【本家ゾナー】Contax Sonnar 50mm F1.5 外観レビュー

Contax Sonnar 50mm F1.5はオールドレンズのキャラクターとしてはクセ玉・滲み玉のカテゴリーに入るレンズですが、
今回撮影した印象では強めの個性こそあれど、確かな描写力もあり意外にも使いやすく感じました。とりわけ戦後の最終モデルだからでしょうかね?
中心のシャープさは見事な程でAFエリアは中央一点のような使い方であればLM-EA9は正確にピントを拾ってくれます。
ただし、絞り開放だと球面収差の多さから解像とコントラストのピークに隔たりが生じて若干前ピン傾向になってしまう。
対策としてF2程度に絞って画質を向上させてからAFを行い、その後F1.5に戻してレリーズ。または潔くMFモードに切り替えるかですね。

画面中間から周辺に流れる範囲があり、周辺は絞ってもそれほど改善しません。
元々フィルムでも四隅まで解像しないかもしれませんが、デジタルではセンサー前のカバーガラスなどがテレセン性に影響しているのでしょうね。SONY αは特にガラスが厚い設計ですし。
まあともかく画質の均一性を期待して絞るのは有意義ではないので作例はF1.5~F2.8が大半、絞ってもF4くらいです。

背景は2線ボケが目立ちやすく好みが分かれる所。個人的にはこのくらいのクセはむしろ出て欲しいくらいなので全然OK。



強い逆光時には虹色のリング状ゴーストが何重にも発生する。ゴーストは絞り開放時だけでF2時点でほぼ抑えられます。
パープル色のゴーストなんかはコーティングタイプのゾナー特有でしょうね。

インバウンドプライスの高級海鮮市場


絞り開放でボケ全開 ぐるぐるボケにはならずダイナミックなボケが広がる。

球面収差によるソフトな滲みの中でもラベルの文字はしっかり確認出来る。これ50年代のレンズでしかも開放ですからね。
F2で滲みは消え去りF2.8くらいでピークに達するほど中心画質は優秀。

ゾナーに限らずオールドレンズならある程度当然ですが、日陰などフラットな光線下だと階調性は乏しくなりますね。

同じスペックのオールドレンズではライカのズマリットが最も人気が高いのでしょうかね。L39マウントで汎用性もありますし。
国産レンズだとゾナーを手本にした「Canon 50mm F1.5 (L39)」をごく短期間だけ使用したことがあるものの、バルサム切れ発生率の高い持病持ちレンズで写りは白昼夢。鏡胴の質感は良かったが特に愛着も湧かず手放した。
後はオリジナルゾナーと由縁のある露製のJupiter-3とかもありますがこの辺はあまり興味ありませんね…



2つのアダプターのヘリコイドを繰り出せばある程度のクローズアップも可能。

色調はRAW現像で好きに調整してますが、赤系が印象的に写るレンズかも知れません。

まとめ
オールドレンズの50mm、特に大口径では優秀なガウスタイプが幅を利かせているが、一時代の主役だったゾナータイプも個性が光る独特な描写が楽しめる。
中心画質の良さからLM-EA9との相性も良く、スナップ撮影ではサクサク撮れる組み合わせでしたね。周辺の流れや周辺光量落ちなども中央の被写体を引き立たせる要素と思えば特に弱点にはならない。
とは言え、外観レビューでも言いましたがアダプター導入のハードルが高いコンタックスCマウントなのがネックなのでやはりレンズ沼ユーザー以外は非推奨かも笑
以上【Contax Sonnar 50mm F1.5】の実写レビューでした

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