LENSBABYのソフトフォーカスマクロ【Velvet56/56mm F1.6】の外観レビュー
レンズベビーの大口径ソフトフォーカスレンズ
「ソフトフォーカスレンズ/軟焦点レンズ」はデジタル時代において絶滅危惧種である。
簡単に行えるデジタルフィルターの後処理では効果の強弱や適用範囲も自在で専用レンズが不要になった。と言うのもあるが、そもそもソフトな描写自体がウケなくなったのも大きいでしょう。
もう国内純正メーカーも長らく、と言うか永久に?ソフトレンズは出ないであろう中で、アメリカの「LENSBABY/レンズベビー」から【Velvet56/56mm F1.6】が発売。
ユニークなレンズを続々と提供するレンズベビーはタダのソフトレンズでは満足しなかったのかF1.6の大口径とハーフマクロ機能まで盛り込んだ意欲的な高スペックレンズになっています。
それ故にレンズベビーのラインアップの中でも割と高価格。新品ではちょっと考えさせられるプライスです。迷ったら中古かメーカーの未使用アウトレットを狙うのもおすすめ。
また兄弟レンズには「Velvet85/85mm F1.8」がある。85mmの中望遠画角から分かる通り、よりポートレートに特化したソフトレンズ。
今回入手したのはCanon EFマウント用 他に一眼レフ/ミラーレス含む現行マウントがほぼ全てがラインアップしています。フロントキャップは金属製のかぶせ式が付属。
レンズベビーはネーミングセンスがイイよね。Velvet、Twist、Sweetとか直感的で好き。
外装は金属製でクラシック感を意識した光沢仕上げ。質感はレンズベビーの中でも最上級でメーカーの本気度が伝わる。
ただ画像だと分かりにくいが、指紋跡が付きやすく結構気になるのは難点。Twist60は艶消しブラックでサラッと手触り良かったんですがね。
距離指標などの文字はシルクプリントです。
SONY α7IIIにSIGMA MC-11でマウント変換して装着。
重量は「410g」でMF専用の標準レンズとしては結構重めで太い。まぁ大口径ハーフマクロなので納得は出来る。今思えばF2以下のマクロレンズってかなり希少ですよね?
またα7IIIにはエクステンショングリップを装着してホールド性アップしてます。レンズベビーって実際に手に取ると、どれも予想よりデカいです。
ハーフマクロなのでヘリコイドの繰り出し量は多い。
ピントリングは往年のMFレンズに近いスムーズながら手応えのあるトルク感。マクロレンズとしての操作性は合格です。フォーカス時に前玉は回転しません。
絞り羽根は「9枚」F2.8付近まで円形を保つ。画像はF4の絞り形状。
フィルター径は「67mm」
絞りリングは一段づつのクリック。F1.6~F4までは絞りの間隔を広く取ってあるので中間絞りが使いやすい。クリックが軽めなのもこれの為だと思う。
前玉は奥まった場所にあるので指先が触れることは滅多にないが、レンズベビーのコーティングは汚れが落ちにくいので私は保護フィルターを付けてます。
マウントも金属製。電子接点はありません。純正のEFレンズと比べるとマウント装着に少々遊びが感じられた。
銀鏡胴の魅力に抗えず…!
Velvet56を数回使った結果、かなり気に入ったので当初から欲しかったシルバーVer.と入れ替えました。ついでにマウントアダプターも新たに調達。
外観の違いは目盛などの文字が<プリントから彫刻>になり、よりクラシック感が増した。
シルバーVer.はCanon EF、Nikon F用のみであることからブラックよりコストが掛かっていると推察できる。不満だった指紋の付きやすさは少しマシになった。
また過去には世界限定400本で「Velvet56 Limited Edition」が発売されていたようです。日本には今何本あるのかな?
【ケンコー・トキナー:世界限定400本、限定カラーの「レンズベビー Velvet 56 Limited Edition」、木製ギフトボックス付きで発売】
ソフト効果 比較作例
簡単な室内作例を挙げてみますがVelvet56単体だけじゃ寂しいので他に2本のレンズと比較。
・CONTAX Planar T*50mm F1.4+Kenko SOFTON
・KIYOHARA VK-50R/50mm F4.5
プラナーには余っていたケンコーソフトンフィルターを、
「ベス単フード外しを再現」で知られるキヨハラソフトは父親が昔買ったものを借りました。
ボディはα7III、被写体との距離は約50cmで全て同位置から撮影。ハイキー寄りに同パラメーターRAW現像。絞りは開放、F2.8、F4.5で比較。
Planar50mm F1.4+Kenko SOFTON
思ったほどソフトフィルターの効果が出ていないようにも見えるが、フィルター外すとコントラストと解像度がぐんと上がるのでソフト効果はしっかり出ているようです。
KIYOHARA VK-50R
開放絞りがF4.5と被写界深度が深いのでボケ量は少ない。ピントの芯がありながら球面収差の滲みを纏うソフトフォーカスの定義に忠実と言えば忠実。
LENSBABY Velvet56
F1.6
F2.8
F4.5
撮り比べてすぐに分かりましたが次元が全然違います。
ボケとソフト効果のバランスが絶妙でかなりの質の良さを感じる。絞った時は普通のレンズのようにシャープ。周辺は絞っても流れ気味でこれはレンズベビーのお約束みたいなもんです笑
特に絞りによる描写の緩急が明確。この味を出すために相当煮詰められたレンズ設計だと思います。
またマクロレンズの特性もあるので最大でこの程度まで接写出来る。レトロ感がたまらん。
まとめ
レンズベビーは良くも悪くもちょっとチープながら愛着の湧くレンズが多い中で “らしくない” とさえ思える高級感があり質感は満足。
肝心の実写レビューも準備中ですが、個人的にはこのレンズの本領はマクロよりスナップにあると感じています。好き嫌いはかなり出そうな感じですがね笑
以上【LENSBABY Velvet56/56mm F1.6】の外観レビューでした。
【ソフトマクロ】Lensbaby Velvet56 実写レビュー
【ソフトマクロ】Lensbaby Velvet56 実写レビュー2
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