ライカM10を快適に使用するためのアクセサリー群
先日ライカM10-Rの購入に至った訳ですが、次のステップは撮影をサポートするアクセサリー沼が待っています笑
志高く《ライカ純正で統一》のドレスコードの余裕がある人はライカストアへ直行。それ以外の人は互換品や中古も含め各々の価格と品質でバランスを図るのがベターとなる。
M10-Rを買った勢いで色々買い揃えたので長いレビューになりますが、興味のあるアイテムだけどうぞ。
視度補正レンズ
まず最も優先すべきは正確なピント合わせ。ライカMのファインダー視度は【-0.5】に設定して作られており、これを基準に視度補正レンズを使い自分の視力とマッチングさせる。
当然ライカ純正が用意されているが見事にライカプライス。過去にツァイスイコンZMの視度補正レンズを初回で紛失した苦い経験から、それの10倍以上高価なライカ製には躊躇してしまう。
そこで救世主となるマップカメラからオリジナルの互換品が販売されている。おそらく日本国内で手に入るM10/M11用の互換品はこれ一択かな。
価格は純正の半額以下と非常に良心的。ただしラインナップは「-2.0」と「-3.0」のみ?
まあ正直これでさえ日本メーカーの純正品と比べたら割高に見えるが販売されているだけありがたい。
作りは価格に納得出来る品質を持ちボディとの調和も問題なし。枠部分はラバーではなく金属製なのでメガネ着用者はキズに注意。
レリーズボタン
前から持っていた日本製のレリーズボタン。直径15mmと大きめで指馴染みの良い凹みがレリーズ時の安定性をサポート。
個人的にレリーズボタンに凝ったデザイン性は求めていないのでこれで十分です。
サムレスト/サムサポート
M10-Rは素の状態でもわずかに親指が掛かる形状になっているものの、ボディは見た目以上の重量があり(660gバッテリー込) この控えめな形状ではやや頼りなく結構指が疲れる。
今まではサムレストの必要がないカメラばかりだったので有用性に気付かなかったが、M10-Rでは別物のカメラかと思うほどホールド性が改善し手ブレも軽減される。
一度使えば手放せないほどの威力だがEVFをはじめ他のシューアクセサリーと併用出来ない点は注意だ。
装着しているサムレストはライカ純正ですがこれより前に中華製の互換品を試しに導入したので並べて比較。
上:ライカ純正 下:互換品
実は純正品はM10用のサムレスト【24014】ではなくM11用【24030】を購入した。形状は同一でM10/M11の兼用が可能だ。
M10用との主な変更点は
・材質が真鍮から軽量なアルミニウム製(約35g⇒約12g)
・製造国がGERMANYからPORTUGAL
・表面塗装の仕上がり方
アルミカバーになったM11ブラックペイントの仕様に合わせており公式でもM10の真鍮ブラッククロームとは質感が異なると説明されているが特段の違和感はない。
むしろ軽量化のメリットが大きくこちらを選んだ。ちなみに中華製の互換品は最軽量の「約9g」です笑
左:ライカ純正 右:互換品
純正は先端まで均一幅でボディとの一体感を優先したデザインに見える。また背面の刻印文字が隠れないよう配慮もあり。
価格差は結構大きいが実用性については正直それほど変わりはない。純正の方がサムダイヤルへの指運びが若干窮屈かも知れないが慣れで何とかなる。シューへの差し込み具合もほとんど同じ。
一番注意したいのがサムレストを長時間ボディと密着させておくとクッションのゴム跡がボディに残り取れなくなることだ。保管時は完全に取り外す必要はないと思うが少し隙間を空けておくと良いと思います。
ボディケース
「ライカM10用レザープロテクター24022」
ライカ純正ケース。カラーはブラック・ヴィンテージブラウン・レッドの3種類。レッドの中古美品がカメラ店で安かったので購入。
公式の製品画像から落ち着いた深いレッドと思ってたら実物は結構ビビットカラーで…。周囲に目立つと不要論もある赤バッジが些細な存在にすら見える笑
カラーは好みが出るとして純正品だけあってフィット感は素晴らしい。レザーも高品質で耐久性もありそうだ。
前面のグリップは十分なサイズでサムレストと合わせればホールド性は抜群。
このケースがユニークなのは磁石で留めるフラップ状の背面カバーがあり、モニターやボタンへのアクセスを意図的に減らすことでレンジファインダー撮影に徹することが出来る。簡易的なM10-D体験が出来る訳ですね。
この背面カバーはボディと底ケースの間に挟んでいるだけなので必要に応じて付け外しが可能。
「ARTISAN&ARTIST LMB-M10」
高品質で人気の高い日本製ブランド。
このケースが優れているのはM10でよくあるストラップによる両肩側面のスレキズをカバー出来る点。しかし残念なことに私の使い方とはマッチしませんでした。
まずこのケースは底ネジで止めるタイプではなく「両肩スナップボタン+両吊りストラップ」でしっかり固定出来るケースです。
私は片方にリストストラップを付けるスタイルなのでボディとの密着感が悪く使い心地に難ありでした。
また美点と捉えていた肩まで保護するケース端が思った以上に接眼時の視界に入り込む。言い方悪いですが私には目障りだと感じた。
まあ好意的なレビューも多々あるので私の感想は少数意見だと思って下さい。
「TP Original ライカM10用 オープナブルタイプ ボディケース」
この台湾ブランドのケースはボディのベースプレートを外してから装着するタイプで、さらにケースを付けたままバッテリー交換も可能だ。
底バッテリー室の蓋は磁石で適度に固定され不意に開くことはない。
前面にグリップ形状こそないがレザー自体のコシで滑りにくく軽量レンズなら問題はない。
ちなみに3種類のケースそれぞれの重量は以下(全て本革製)
ライカ純正 | A&A LMB-M10 | TP Original | |
重量 | 約132g/107g※ | 約63g | 約79g |
TP Originalはさらにベースプレートの約47g分も減量出来るので最軽量に仕上がる。一番安いけど品質も大きく劣らずコスパに優れたケースです。
予備バッテリー
「ライカM10用リチウムイオンバッテリー BP-SCL5」
M10シリーズはバッテリーの持ちが悪く感覚的には一昔前のミラーレスと同等だ。多く撮影しない人でも保険として予備の1個は欲しい所。
この型番のバッテリーは互換品がなく純正一択となる。まあ仮に存在しても怖くて使えないでしょう。
バッテリーは性能劣化する消耗品なので余裕があれば新品がベストだが、中古品なら新品価格分で2個購入することも可能だ。
注目したいのはバッテリー本体に「週/年」の製造番号が刻印されているので、中古の場合は出来るだけ新しいロットを選ぶのが望ましい。最も古いのは無印M10の17年製。今買うなら20年以降を狙いたい。
ストラップ
ストラップはPeak Designのアンカーリンクスを使い自在に着脱可能にしている。あて革は予備に買っていた余り物。
「CURA 真鍮製2重リング CRG-101」
アイレットに通すストラップリングは普段より良いモノにしてみた。リングなんてカメラ付属品や余り物で十分じゃない?と考えていたが実際に付け替えてみると全然違う滑らかな動きで驚いた。
フィルムライカのM5以前はアイレットが真鍮製で摩耗しやすいらしくそれらにも最適だそうだ。
新しいM10-Rでは必需品とは言えないがボディを大切に使うためなら全然安いものです。
「ARTISAN&ARTIST ACAM-P25H」
いくつかのハンド/リストストラップを試した結果これに落ち着いた。ソフトな手触りで手首に通していても邪魔にならず、サイズなど求めていたイメージにジャストだった。
マグニファイアー
「LIGHT LENS LAB L-V14XM」
8枚玉ズミクロンのレプリカレンズ「周八枚」で有名なブランド発のライカM用マグニファイアー。焦点工房が正規代理店となる。
ファインダー倍率を1.4倍に拡大してピント精度を高めるために購入。純正は倍以上高価なので諦めました。
ライカオンラインストア:ビューファインダー・マグニファイアーM 1.4倍
使用感を端的に説明すると実用になるブライトフレームは標準~望遠(50~135mm)メガネ着用だと50mmの視認はつらい。
M10シリーズのファインダーは倍率0.73で×1.4倍だと等倍以上になってしまうが、このマグニファイアーは視度調節が可能(約-3.0~+3.0m-1)で多少変倍します。
たぶん近視寄りの人は等倍以下になり調整次第では完全等倍にすることも可能。ただ調整はマグニファイアー本体を回転させるので気付けばズレている。テープ等の固定が無難か。
装着時は後部が突出するのでバッグ等の収納性は悪くなる。気になるなら撮影直前に装着すれば良い。
最後にマグニファイアー本体のネジ径はM10以前のボディに対応しており、アイピースサイズが大きくなったM10以降で使う場合は同梱のネジアダプターを使います。
このネジアダプターは純正でも同等品があるが結構お高く、オマケのように付属する気前の良さは嬉しい。
ライカオンラインストア:ライカ M10 ファインダー用ネジアダプター
付属ネジアダプターはM用アングルファインダーなど他のファインダーアクセサリーとの接続に流用出来るのでトータルのお買い得感が高い。
まとめ
個人的に優先度が高くオススメのアクセサリーは「視度補正レンズ」「サムレスト」「予備バッテリー」の3つ。残りは実際にカメラを使って必要なら買い足していけば良い。
ちなみに液晶保護フィルムは前オーナーが純正品を貼ってくれていたのでそのまま。
さてこれで実用に不足を感じる要素はなくなった。長く使うことを前提にライカを購入したので出費した分以上は存分に撮影を楽しむつもりだ。
以上、ライカM10-Rのアクセサリーレビューでした。
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