レンジファインダー用のズイコーレンズをデジタルライカMで使う
ボディ:LEICA M10-R
Adobe LightroomでRAW現像 レンズ補正なし
画像内EXIFのF値はボディ側の測光による概算値なので参考程度に
レンズ外観レビューは以下
【L39マウント】OLYMPUS Zuiko C. 4cm F2.8 外観レビュー

まずこのレンズの実写において注意点が一つ判明しました。撮り始めて直ぐに気付いたが画面四隅がものスゴく暗い。
最初は周辺光量落ちと考え絞り込んでみたが改善せず。次はフードを外してみても変わらずケラレています。

結果として上画像のように解消しましたがその原因は何と【保護フィルター】による枠のケラレでした。

装着していたのは「marumi UV 19mm」
このフィルターの用途の大半は同じフィルター径19mmの【LEICA Elmar50mm F3.5】だと思います。その次がElmar35mmでしょうかね。
より広角のElmar35mmでケラレた情報はなさそうなんですけど、それならZuiko40mmがケラレるのはどうも腑に落ちない気分ですね。
19mmフィルターは他にユーエヌ製などもありますが、これも実際に付けてみないと分からない。まあフードを付けていれば前玉が汚れる心配も殆どないのでフィルターなしでもいいかなと思ってます。


しかしケラレが解消しても開放付近の周辺光量落ちが強いことには変わらず。背景には2線ボケの傾向も見られますね。

簡単な歪曲チェック。わずかなタル型歪曲があるようですが無視できるレベルで優秀だと思います。

何となくモノクロの写りが結構映えるように思えるレンズなんですよね。


背景に注目すると若干ぐるぐるボケの気配がありますね。

光線状況が良ければ現代レンズと遜色のない高コントラストで階調の良い描写になります。

梅の花を撮っていると枝から枝へ俊敏に動き回る“アレ”と思わしき姿が。拡大してみると…

おぉメジロが写ってますね。次のカットでは吸蜜する姿も撮れました。
実はメジロを写真に捉えたのはこれが初めて。スズメと大して変わらない距離感で撮れる身近な野鳥なんですね。次のチャンスがあれば是非とも望遠レンズで撮ってみたい。


逆光でのゴースト・フレアは容易く多重のリングゴーストも出現しました。
ここまで盛大に出るなら演出効果として活用するのが得策。ただOVFのレンジファインダーだとゴーストのコントロールは困難なので必然的にライブビュー撮影となりますね。


解像力は中央は開放からそこそこ良好。中間~周辺は絞り込めば解像は向上しますがピークは低くやや苦しい印象がある。
ネット上で見られる作例でも画面均一に解像しているようには見えないので個体差を差し引いてもまあこんなものかなと。
とは言えボディが約4000万画素のライカM10-Rなので厳しめの判定になりますし、フィルム撮影であれば本来の描写を発揮するのかも知れません。

開放値F2.8から出る中程度サイズのゴーストは構図の中に取り入れやすいかと思います。




光線がフラットになりがちな路地裏は周辺光量落ちが出す強調効果が頼りになります。


まとめ
当然と言えますが高性能を期待して使うレンズではありません。
しかしクセ玉のような暴れ方もしないので描写傾向は掴みやすい部類に入るでしょうね。今回の撮影では想定よりも歩留りが良い結果となりました。
何より1950年代で40mmの交換レンズは珍しい上にズイコーレンズがライカと距離計連動するのは中々ロマンを感じますね。
市場に出ることは少ないレンズですが国産ノンライツ好きなら確保しておく価値のある1本ではないでしょうか。
以上【OLYMPUS Zuiko C. 4cm F2.8】の実写レビューでした。
コメント